にがくてあまい午後

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【  2010年07月  】 更新履歴 

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  07.29.  【 籠の鳥ーJAILBIRD- 】  第四十四章   さわりを読む▼
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第三十二章

籠の鳥ーJAILBIRD-

 「作業所、ねぇ」朱実さんは、その土曜のDEPTのフェローで、相変わらずマルボロをふかしながら言った。「いい、思いつきだと思うけど・・・アレは、結構きついよ。あんた、つとまるの?」「え・・・」亜美は、躊躇した。「私もさぁ」別の人が言った。「鬱で、再入院した後、行ってたことあるわよ。でも、会社と同じよ。毎日仕事があって、出来る人と出来ない人がいる」その晩、亜美は友人に電話をかけた。「こんばんわ・・・」...全文を読む


第三十三章

籠の鳥ーJAILBIRD-

 しかし、診察日を待つまでもなく、大ヶ丘先生の面談の日がやって来た。「ヴィーボか。うむ、知っているよ」「本当ですか?」亜美は、身を乗り出した。「すぐここのそばにあったからね。・・・今は、U区に移転したようだが。あそこをやっているご夫妻は、人格者だよ」「ご夫婦・・・?」「ああ」大ヶ丘先生は言った。「夫婦で経営なさっているんだ。もし、行きたかったら区役所の支援課に相談なさい。・・・ドクターの許可を取って...全文を読む


第三十四章

籠の鳥ーJAILBIRD-

 「ふぅむ」亜美の話を、面談室で一通り聞いた芳子さんは、言った。「色んなことがあったのねぇ」「はい・・・」「あなたの問題点は」「はい」「第1に、お母さんにあなたへの嫉妬があること。第2に、お父さんと意思の疎通がないこと。第3に、男性関係・・・。すぐに、親切にしてくれる人に依存感情を持つ。そんな感じかな」「その、通りです」「そうね」(この人は、頭がいい・・・。これまでの、カウンセラーはみな、私に手玉に...全文を読む


第三十五章

籠の鳥ーJAILBIRD-

 それから。亜美の、「戦闘」が始まった。まず、起きてシャンプーして顔を洗う。TシャツとGパンに着替える。・・・桂さんに「おはよう」と挨拶をして、湯を鍋に沸かしてだしを入れる。沸騰したら、豆腐とわかめを入れて、味噌を入れて火を止める。三人で、気まずい朝食を取る。それから、自転車に乗って15分、下り上りの多い道を、作業所へ急ぐ。「おはようございます」「おはようございます」全員の挨拶。・・・それから、調理...全文を読む


第三十六章

籠の鳥ーJAILBIRD-

 3ヶ月、経った。時は、11月だった。亜美は、見違えるように痩せた。どくとるマンボウが、処方した新薬のせいもあるだろう・・・。体力が、徐々に徐々に回復し、作業所が休みの日には、またDEPTにも参加できるようになっていた。しかも、今度は土曜の午前でなく、火曜日の夜に。・・・これは桂さんの後押しだった。「夜でも、A教会なら、危なくないですよ。駅からすぐですし、私、あの辺で働いてましたから・・・。」実際最...全文を読む


第三十七章

籠の鳥ーJAILBIRD-

 それから、何度か駆け引きのような挨拶を、メールで繰り返している内に、亜美は赤いストールの本名を掴んだ。「俺、ホタルって言うの。覚えてる?」「ううん。本名は?」「北条瑛一」彼はそう言うと、携帯の向こうでくるっと宙返りしたように思えた。「君の本名、聞いていい?」「嵯峨亜美」「いい、名前だ」彼は、またくるっとバク転したように言った。「今度、会わない?」「いいけど・・・」「明日、どう?」「明日は無理」「な...全文を読む


第三十八章

籠の鳥ーJAILBIRD-

 次の日、亜美は熱を出した。頭が痛い代わりに、体がぼおっとして咳が出る。2Fにわざわざ上がって来た桂さんは、言った。「インフルエンザかもよ。・・・すこし、頑張り過ぎたからね。内科に行って、寝てなさい」ふとんにもぐっていると、携帯が鳴った。「瑛一です。元気?12日、会えるかな」亜美は、ごほごほ言いながらキーを打った。「元気じゃないわ・・・。風邪なの」「そりゃよくないや。お大事に」「待って」「え?」「会...全文を読む


第三十九章

籠の鳥ーJAILBIRD-

 タクシーは、H市の網の目のような道路を、滑るように走って行った。「君、ホテル、知ってる?」「北口の駅前に・・・Mホテルが」瑛一は、軽く頷いた。「Mホテル、お願いします」ホテルのフロントで、二人は無言でキーを受け取った。エレベーターに乗り、ドアを開くと、小じんまりした部屋に、洒落た椅子がひとつ置いてあった。瑛一は、臙脂色のライダースジャケットのまま、椅子に腰を降ろすと、大人っぽい様子で両手を軽く組ん...全文を読む


第四十章

籠の鳥ーJAILBIRD-

 その夜、亜美は一通のメールを受け取った。「二人の、シークレットサイトを開きたい。瑛一」亜美は、すぐに電話した。「どういうこと?説明して」「君、ブログ持ってるだろう?」「一番、簡単なのなら・・・。日記を書きかけて、途中でやめてしまったけれど」「なら、話が早い。二人にしか、覗けないブログを作るんだよ。・・・ハンドルネーム、適当に作って。俺は、blue glass」「私は・・・frosted cat」「じゃ、サイトの名前はf...全文を読む


第四十一章

籠の鳥ーJAILBIRD-

 「俺は、人に危害は加えていない・・・。ただ、家の中のものを蹴散らしたんだ。警官が4人来た・・・」「その程度?」亜美は返した。「家なんか、警官が4人と救急車が来たわよ」「呆れたお嬢さんだ・・・」瑛一は、少し調子を取り戻したようだった。「電話、してもいい?・・・カラオケボックスでガンガン音楽かかってるけど」「いいわよ」携帯から聞こえる、瑛一の声は、メールよりずっと脅えていた。「姉貴が・・・。帰省した姉...全文を読む


第四十二章

籠の鳥ーJAILBIRD-

 瑛一は、玄関でロフト風の部屋を選んだ。部屋に入ると、古臭い装飾が、かえって二人を落ち着かせた。「今日は、生理の最終日だから、本当のサービスはしてあげられないの。・・・ごめんなさい」「いいんだよ」瑛一は、亜美のニットをふわりと脱がせた。「キスして」亜美は、瑛一の上にかぶさって、彼のまぶたに何度もキスをした。それから、唇をゆっくり接近させた。「風邪止めのキャンディ、舐めてるの」瑛一は、うっとりしたよう...全文を読む


第四十三章

籠の鳥ーJAILBIRD-

 ・・・亜美は、もう作業所にはほとんど顔を出していなかった。その代わり、仕事帰りの瑛一と必ず電話した。深夜に3時間、携帯ごしにお互いに歌を歌っていたこともあった。瑛一は、ビートルズとユーミンが上手かった。亜美が、沢田研二の「時の過ぎゆくままに」を歌うと、瑛一は言った。「エロいな。でもいい」「疲れてない?」「いや、遠距離恋愛だもの」瑛一は答えた。「この程度、当たり前」そんなある日。瑛一は、風邪をひいた...全文を読む


第四十四章

籠の鳥ーJAILBIRD-

 しかし。亜美の危惧にも関わらず、瑛一のインフルエンザの間、二人は天国の気分を味わった。瑛一は、家族の写真と、それから昔雑誌に投稿したと言う詩を、わざわざ写メで送って来た。いくつもいくつも。・・・添えられた写真には、今とは正反対の、穏やかな青年が写っていた。亜美は、送るものがないので、僅かに幼少時の写真を送った。「可愛いな」瑛一は言った。「俺さ・・・」「え?」「お前と暮らしたいよ・・・。でも、あと1...全文を読む


第四十五章

籠の鳥ーJAILBIRD-

 亜美は、黒いヒールの高いショートブーツで、O駅の雪の中を辛抱強く待った。「今どこ?」瑛一は、ハンドルを片手に撮ったらしい写メだけを送って来た。(もうすぐだわ・・・)亜美は、風景の様子から思った。やがて、白い車が滑るように地下道から姿を現した。亜美は、駆け寄った。「おまたせ」瑛一の眼は、どこか不安定に光っていた。「乗る?」「うん・・・」亜美は、ちょっと背筋がぞくっとしたが、乗り込んだ。車の中には、財...全文を読む

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