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【  2010年08月  】 

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第四十六章

籠の鳥ーJAILBIRD-

2010.08.01 (Sun)

 亜美と瑛一は、車の中で黙って、亜美の持ってきたお菓子を頬張った。瑛一は言った。「美味いな、このマドレーヌ。どこのだ?」亜美は答えた。「アンリ・シャルパンティエ」瑛一は言った。「ふうん。・・・俺の親父は、よくくずもち買って来たよ」それから、瑛一は車のエンジンをかけた。「帰るぞ」「いや」亜美は言った。「ラーメン、食べたい」瑛一は言った。「いいよ。門限、何時だ?」亜美は言った。「夕食、7時」「よし」瑛一...全文を読む

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第四十七章

籠の鳥ーJAILBIRD-

2010.08.01 (Sun)

 亜美は、部屋につくと真っ赤になっている下着を脱いで、浴室で洗濯した。・・・それから、瑛一にメールをしようとして、思いとどまって、ベッドに横たわった。(苦しい)(苦しい)・・・まだ、体の中心部がひりひりする。亜美は思い切って携帯を取った。「瑛一」不機嫌そうなメールが来た。「なんだ」「痛いよ・・・。痛い」「あのなぁ」瑛一は、途方に暮れたように言った。「俺、明日仕事なんだ。8分なら、相手できる」亜美は泣...全文を読む

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最終章

籠の鳥ーJAILBIRD-

2010.08.01 (Sun)

 1月25日。桂さんは、元通りの笑顔を台所で見せていた。亜美は、朝食の味噌汁だけ作ると、部屋に戻って、桂さんのお土産の白いタートルネックのセーターと、グレーのGパンで、正座して瑛一からの、電話を待った。9時ちょうどに、電話はあった。「亜美」「瑛一」「もう、君とは付き合えない」瑛一は、きっぱり言った。「君のような不安定な女に、俺の人生は任せられない」「・・・・」「いろいろ、感謝している」「待ってよ」亜...全文を読む

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なわとび

Black short short

2010.08.15 (Sun)

 夫が、首をつった。 20年ローンの庭付き一戸建てを買って、引っ越したあくる朝に。 「俺はもう疲れた」と、一言だけ遺書を残して。 あたしたち家族は、毎日毎日、天井のシャンデリアからぶらんと垂れた縄の下で、ご飯を食べた。次の日も、その次の日も、ご飯を食べ続けた。 一週間目に、あたしは思い切って、テーブルの上によじ登り、夫が首に巻いた縄を、ようやくの思いで、取った。伸ばしてみたら案外長い。 あたしは、縄...全文を読む

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栄光

Black short short

2010.08.15 (Sun)

  俺の親父は、頑固者だった。「何故、こんな事も出来ん!」 俺は決心した。・・・いつか、T大に入る。そして、金をがっぽり儲けて、女に何不自由ない医者になってやる。 俺はがり勉した。体育はいつも1番だった。弱い奴は虐めまくった。 合格通知の春。俺のところに届いた電文はこうだった。「サクラ、チル」 そんな筈はないだろう。 俺は、出刃包丁を片手に、安田講堂に乗り込んだ。とめてくれるなおっ母さん。 遠くから...全文を読む

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優しい

Black short short

2010.08.16 (Mon)

   私は、いつも親から周囲から、「優しい子ね」と言われて育ちました。内心、それがとても得意でした。 大学は、福祉学科を選び、まっすぐに精神福祉士になり、障害者のお世話を、小さな作業所でするようになりました。夫は、そこで知り合ったスタッフでした。 私は、毎日毎日精神を病んだ人たちを助けて過ごしました。一緒に、料理をしたり編み物をしたりしました。私の悪口を言う人は、一人としていませんでした。 私は、こ...全文を読む

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ぶす

Black short short

2010.08.16 (Mon)

  「ぶす」「不細工」と、散々ののしられたあたしは、やっとの思いで、ハンサムな夫を手に入れた。有頂天なのもつかの間、生まれたのは、自分とは似ても似つかない美人だった。 悔しい。あたしは、娘に似あわない服ばかり着せた。「美人、美人ていわれて舞い上がってるあんたは、なんて醜いの」 作戦は成功し、娘はひねくれてみっともなくなってきた。 なのに。年頃になった娘は、どこからか不細工だけど3高の男を連れてきた。...全文を読む

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借金

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2010.08.18 (Wed)

  あたしは、20の時、うっかり同窓会の2次会で、足を踏み入れたホストクラブ通いが、すっかり癖になり、1000万の借金と一人娘を抱えて、夫と離婚した。 あたしは、しゃにむに働いた。昼は派遣、夜は会社に隠れた水商売。・・・そして、縁あった人と、ついに再婚した。 気分は天国だった。あたしは、娘をバレエに通わせた。母親に似て、根性のある娘は、すくすくと育って、ついにプリマになった。舞い上がったあたしは、新...全文を読む

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ウォーキング

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2010.08.20 (Fri)

   30にして、早くもメタボ予備軍に入った俺は、愕然とした。早速、ウオーキングを始めなければ。・・・3カ月で20kg痩せるには・・・。計算すると、会社まで毎日片道3時間を歩くのが最適だ。 俺は、頑張った。昼は、会社では殆ど眠っていたが、その甲斐あって、体重は落ち、筋肉は隆々とついてきた。これなら、憧れのSさんにアタック出来る。しかし、薔薇の花束を抱えた俺の目の前で、Sさんは頬を染めて、社で一番の業...全文を読む

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征服

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2010.08.20 (Fri)

  小学生の頃。俺の夢は、世界を征服して、第2のヒットラーになることだった。しかし、俺は先生に叱られてばかりの洟垂れ小僧で、第3志望の大学にも入れなかった。 結婚して、ささやかなサラリーマンになった俺の次なる夢は、関白亭主になることだった。しかし、なけなしの勇気を出して、浮気者の妻を一発殴った途端、弁護士に俺は「DV亭主」の汚名を着せられて、ム所行きと相成った。 狭い独房の中での、今の俺の夢は、そこ...全文を読む

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うふふ

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2010.08.20 (Fri)

  あたしは、可愛い子ちゃんと呼ばれて育った。1番目の夫は銀行マンだった。あたしは、親友を巧みに誘惑して、夫と浮気させ、その証拠写真を盾に、離婚して慰謝料で、マンションを1戸手に入れた。 次の夫は、医者だった。息子が一人出来たけど、あたしは上手くマザコン暴力息子に仕立て上げた。息子に殴られる恐怖に耐えかねた夫は、あたしと息子をデザイナーズマンションに残して離婚した。 やがて息子は、不良娘を捕まえて、...全文を読む

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空腹

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2010.08.22 (Sun)

  俺は、今天才の気分だ。何故なら、絶対に食物がなくならない方法を考え出したからだ。 まず、ケーキを半分に切って食べる。次に、それを更に半分に切る。そしてまた、半分を半分に切る。・・・こうすれば、何時まで経っても半分の半分のそのまた半分が残る筈だ。 なんて頭がいいんだろう。 しかし。最初の日は満腹だった。次の日は、少々不満だった。3日目は水を飲んで過ごした。そして、4日目は・・・ どこで俺は間違った...全文を読む

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ボクサー

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2010.08.22 (Sun)

  俺はしがないボクサーだ。少年時代は、ストリートファイトで懸賞金をもらって食い繋いだ。やがて、リングにデビューした俺は、何度も何度も打ちのめされながら、絶対に倒れない不屈のチャンピオンになった。 時は流れる。30になった俺は、いつしか「テクニシャン」と呼ばれるようになっていた。そして40歳の時、ついに俺はリングに倒れた。 もう、チャンピオンじゃない。ただの、トレーナーだ。それでも、俺は名トレーナー...全文を読む

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第3次世界大戦

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2010.08.22 (Sun)

  鳩山首相が、進退をかけて出した法案、「日米安保条約破棄」。これによって、第3次世界大戦が勃発した。 俺の、鉄鋼会社は、日本産の戦車を作り、大成長した。俺は夢見た。「世界は変わる」。 その、通りになった。 日本は、必死の抵抗も空しく負けたのだ。 アメリカは、ついに日本国を合衆国に統合した。その名も「日本州」。 俺は戦犯を免れた。 しかし、俺には、もう漢字の名前はない。佐藤健ではなく、ケン・サトーだ...全文を読む

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