にがくてあまい午後

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【  2012年12月  】 更新履歴 

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  12.01.  【 にがくてあまい午後 】  尊敬と同情   さわりを読む▼
  12.03.  【 にがくてあまい午後 】  苦手   さわりを読む▼
  12.05.  【 にがくてあまい午後 】  意志   さわりを読む▼
  12.07.  【 にがくてあまい午後 】  自律   さわりを読む▼
  12.09.  【 にがくてあまい午後 】  ふたり   さわりを読む▼
  12.10.  【 童話のようなもの 】  あおいねこ   さわりを読む▼
  12.11.  【 にがくてあまい午後 】  出発点   さわりを読む▼
  12.13.  【 にがくてあまい午後 】  他人   さわりを読む▼
  12.15.  【 にがくてあまい午後 】  世間   さわりを読む▼
  12.17.  【 にがくてあまい午後 】  転機   さわりを読む▼
  12.19.  【 にがくてあまい午後 】  助け   さわりを読む▼
  12.21.  【 にがくてあまい午後 】     さわりを読む▼
  12.23.  【 にがくてあまい午後 】  いじめ   さわりを読む▼
  12.25.  【 にがくてあまい午後 】  明日   さわりを読む▼
  12.27.  【 にがくてあまい午後 】  ノイローゼ   さわりを読む▼
  12.29.  【 にがくてあまい午後 】  回復   さわりを読む▼
  12.31.  【 にがくてあまい午後 】  可能性   さわりを読む▼


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尊敬と同情

にがくてあまい午後

 その晩、フェイスブックを開いてると、さーちゃんからメッセージが来ていた。「明日、大戸屋で会いませんか。ジャムを沢山作ったのでおすそわけします」さーちゃんは、中学時代の同窓生だ。・・・いつも、いじめられっこをかばってる男気の強い子だった。あたしはちょっとためらって返事した。「明後日なら空いてます」「じゃ、明後日の午前十一時半に」実は誰にも言ってないけど、明日は銀座にお見合い写真を撮りに行くのだ。・・...全文を読む


苦手

にがくてあまい午後

 次の日も、その次の日もあたしは昼過ぎまでぐでんぐでんに寝てた。・・・一気に疲れが出たのだろう。月曜日に、佐藤さんが来た。最初はいつも通りだった。「どうしてたの?」「軽井沢行ったりしてました」あたしは半分眠い頭で答えた。「へえ、温泉とかつかった?」「いえ、文学散歩だったので」佐藤さんの体がどことなく硬直するのがわかった。「それもいいじゃない?」「ええ」あたしは答えた。「詩の朗読とかしたら、見直してく...全文を読む


意志

にがくてあまい午後

 その晩もパパは来た。「これ、シュークリームと谷川俊太郎の詩集だぞ」「うん」「元気ないな、敦美」「・・・これからたらこスパ作る」あたしは何とか体を動かして、たらこに茹でたスパゲッティをからめて、海苔を刻んだ。食卓に着いたパパは言った。「シソが刻んであって、バターが利いてるともっと旨い」シソなんかないよ。それからパパはなんだかいつもの話題を繰り返した。「猫は可愛いなぁ」「そう?」「うん」「ひよこは可愛...全文を読む


自律

にがくてあまい午後

 その夜、あたしは何だかいらいらしてた。・・・パパが来ないと言うこと自体より、誰も世話する人がいなくなったことでいらいらしてた。(あたしは自分の世話をするのが苦手だ)(だけど人に甘えるのはもっと苦手だ)誰か、あたしを必要としてくれる人がいるとあたしはしゃっきりする。あたしは、適当にかき揚げうどんを作ると、服を脱いでパジャマでうどんをこたつで、いい加減に食べた。(たぶん、パパもにわとりなんだ)(コケコ...全文を読む


ふたり

にがくてあまい午後

 先生は、「一人で自立して、居場所をみつけなさい」って言った。あたしはひさしぶりに支援所へ行った。・・・ながらくほっといてあった、クリスマス用のパッチワークが残ってた。それを仕上げながらあたしは思った。(障害者に、ほんとの居場所なんてみつかりにくいなぁ)・・・小説書いてると、ふつうに人間として認められてる気がするんだけど。ここにあるのは正直同情とか、弱い者同士で群れる気持ちばっかりだ。それでも。お昼...全文を読む


あおいねこ

童話のようなもの

 あるところに あおいねこが一匹いました。あおいねこは うまれたときはしろいねこでした。でも しろいねこの飼い主のおとこのこがうっかり 万年筆のインク瓶をたおしてしまったのでしろいねこは あたまの先からしっぽの先まで あおいねこになってしまったのです。あおいねこは しろいねこのなかで いつも仲間はずれでした。みんな いいました。「あおいねこなんて 見たこともないよ。へんなの」あおいねこは いっしょう...全文を読む


出発点

にがくてあまい午後

 日曜日が、来た。・・・めずらしく何も予定は入ってなかった。(何かお菓子焼きたいな)戸棚を見ると、全粒粉のホットケーキミックスが一袋残ってた。(卵もバターも砂糖も、レーズンもある。牛乳と焼き型買ってくれば、パウンドケーキができる)あたしは、百円ショップに向かった。焼き型はいろいろあった。・・・サイズがよくわからなくて、Lのを一個買った。それから、来年用のカレンダーを二個買った。「三百十五円です」それ...全文を読む


他人

にがくてあまい午後

 水曜日。あたしは、昔世話してくれてた大槻さんともう一度会うことになってうきうきしてた。大槻さんは、あたしが引きこもってた頃家に来てたヘルパーさんで、当時まだ生きてた祖母の介護をしてた。・・・あたしのことをよくわかってくれて、「頑張れ」「負けるな」って言ってくれた。だけど久しぶりにモスで会った大槻さんは変わってた。「お見合いするんだよ」「それは」オニオンリングをつまみながら、少し前より老けて太った大...全文を読む


世間

にがくてあまい午後

 次の日。あたしはどうにも一人がいたたまれなくなって、久しぶりに支援所に出た。皆、忙しそうに針仕事や料理をしてる。少し、パッチワークの続きをしたら気分が落ち着いてきた。チーフがにこやかだ。お昼ご飯が終わったところで、あたしは言った。「ちょっと面談お願いします」「いいわよ」あたしたちは相談室に入った。「悩みのかたまりみたいな敦美ちゃん、どうしたの?」「いえ」「でも最近落ち着いてると思ったけど」あたしは...全文を読む


転機

にがくてあまい午後

 ・・・だけども、その晩もあたしはよく眠れなかった。男の人がいまだに苦手なのもある。男の人が、信頼できない自分もいる。信頼すると裏切られると思う自分もいる。気がつくと、あたしは垣沼さんの番号をプッシュしてた。「夜分すみません。木村です」「どうしたの?少しごほごほ言ってるわよ」「・・・喘息なんです」「強い薬、吸入しすぎてない?あれは心臓に来るから」垣沼さんはいつも親切だ。「あのう」「?」「垣沼さんの旦...全文を読む


助け

にがくてあまい午後

 その夕方。佐藤さんが来た。あたしは頭が痛くて、部屋で寝っ転がっていた。・・・佐藤さんはたらちり鍋と、かぶのあんかけを作って帰って行った。(仲悪くっても、喧嘩しても我慢しなきゃいけないこともある)それが。働くということであり、結婚するということだ。だけど。こんなんですぐ頭痛くなるあたしに、三か月遠くの教室で我慢することって出来るんだろうか。(鬱ってなかったころは、いやなことも平気でできたのに)誰か。...全文を読む


にがくてあまい午後

 あたしは、熱を出した。ずっと、小説サークルの文化祭の準備にかかりきりだった週末に、ふっと気が抜けるようにそれは来た。(頭痛いなぁ)(からだの節々も痛い・・・)オムロンの体温計で、脇の下を計ったら微熱があった。(どうしよ)咳がこんこん出始めた。あたしは、吸入器をうっかり先に吸ってから、朝の薬を飲んだ。急に吐き気が来て、薬は洗面台に吐いてしまった。気を取り直してもう一度飲んだけど、やっぱり吐いた。(も...全文を読む


いじめ

にがくてあまい午後

 喘息の発作は三日くらい続いた。(息ができない)(息ができない)(呼吸できないって苦しい)あたしはぜいぜい言いながら、熱っぽい頭で考えてた。(就労支援所のスタッフって、障害者をいじめるのが面白いんじゃないかなぁ)ふと、思い出したのは三年くらい前に書いた詩だ。当時、通ってた詩の先生に黙殺されたやつだ。ファイルをごそごそするとそれはあった。疲れ果てた蒼白い顔、顔、顔、なかなか動かない手足休憩ばかりの調理...全文を読む


明日

にがくてあまい午後

 四日目に、咳はうそのように取れた。・・・ずっと寝てたので、筋肉が弱ってる感じがする。あたしはふらつきながら、なんとなく昔のメンバーの逸美ちゃんに電話してた。「こんちわ」「どしたの、その声」「・・・喘息」「喘息ってさ、過労とかストレスでなるんだよ。家の弟、小学校時代はずっと小児喘息だったけど、中学に入ったらあっけらかんと治っちゃったもん」逸美ちゃんはきっぱりと言った。「・・・」「就労支援所はどう?」...全文を読む


ノイローゼ

にがくてあまい午後

 その晩、パパは遅かった。・・・あたしは、佐藤さんの代理の上河さんが作ってくれた豆乳鍋をぐつぐつしながら待っていた。「すまんすまん」「パパぁ」あたしは泣き声を出した。「もう就労いやだよ」「どした?」「ずっとずっとここにいたいよぉ。・・・引きこもっていたいよぉ。もう一般就労とか結婚とか、無理なこと押し付けられるのいやだよぉ」「まぁ、落ち着いて」パパは言った。「誰がそういうこと言うんだ?」「先生とか支援...全文を読む


回復

にがくてあまい午後

 豆乳鍋は、量がたくさんあって、二人でも食べきれなかった。あたしはパジャマのまんまでぼんやり考えてた。(回復って)(一人前に恋人ができて、一人前の仕事ができることかと思ってた)(でもそれ)(焦ってた・・・)恋人とか、好きでもないのに作っても仕方ない。・・・嫌いな人にもてても意味がない。仕事もそうだ。敦美は敦美のペースでやればいい。次の朝。紹介状が一通郵便受けに来てた。(?)「檜山祐三」さんからだった...全文を読む


可能性

にがくてあまい午後

 一週間、たった。小説のサークルの後に、皆がわざわざ小さな出版記念の飲み会を開いてくれた。最後に、ふと田万川さんが言った。「今度、ちょっと離れた市内のギャラリーで、写真展と小説の朗読を一緒にしたいの」「いいですね」「難しいなあ、写真に合わせて書くのは」「あら、敦美ちゃんショートショート得意じゃない」宝珠さんが言った。(そうかな?)次の昼、パパがチャイムを鳴らした。「どうしたの・・・」「今日、医者の日...全文を読む

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