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【  2013年02月  】 

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クリスマス

にがくてあまい午後

2013.02.01 (Fri)

 二十四日、月曜日。今年は、連休とはずれてしまって、本当はもう街はイブではない感じだった。・・・あたしは志岐さんに連絡を取って一緒に食事をしていた。「ここのスパゲッティ、独特のこしがありますね」志岐さんは、そう言って仕事の話を懸命にした。デザートは、ラズベリーのパンナコッタとバニラアイスだった。「これからまた仕事なんです」「これから?」「年末が一番商品が動き出す時期なので。連休は山梨に行ってました。...全文を読む

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年納め

にがくてあまい午後

2013.02.03 (Sun)

 お正月が近づいていた。あたしは、昼近く起きてほとんどひきこもったままの生活を続けていた。夕方には必ずパパが来た。それでも、鬱っぽい感じはしなかった。思えば。あたしは檜山さんの一件で結構傷ついていたのかも知れない。そんなときあたしは、繭玉のようになって回復を待つ。・・・そうすると、だんだん気持ちが澄んできて、自分の何がわるかったか何がよかったか分かるようになってくる。実際。忘れかけていた芹田のことも...全文を読む

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一杯の珈琲

にがくてあまい午後

2013.02.05 (Tue)

 押し迫った三十日。あたしは、またしても別の人から連絡が入って、あわてて頭からワンピースをかぶってた。(四時半かぁ)(なんとか間に合う)ケイトのアイシャドウで、ブラウンを目の際に入れていたらふと嫌な予感がした。(もしかして、十四時半の間違いじゃ)急いで、その人(春樹邑上さん)のところに電話を入れた。けど繋がらない。(仕方ない)(ちょっと遅れるけどもう出よう)エレベーターを下って、外に出ると鞄の中でス...全文を読む

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大晦日

にがくてあまい午後

2013.02.07 (Thu)

 三十一日。大槻さんは、昼ちょっと過ぎに来た。あたしは目を覚まして洗濯をしていた。「どう?調子」「まあまあ」「よかったわ」そういうと、大槻さんは手早く掃除を始めた。あたしは花を活けて、おせちをお重に詰めた。「錦卵ないと思ったから、買ってきたわ」「ありがとう」あたしも袋をごそごそ出して言った。「これ、セーターです。プレゼント」「いいのに・・・」「いいんです」「そお」大槻さんは、桜色のセーターを袋から出...全文を読む

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お正月

にがくてあまい午後

2013.02.09 (Sat)

 年も明けた三日。あたしは志岐さんと初詣に出かけていた。・・・志岐さんはいつものように言葉少なだった。「神社っていいですね」「ええ、気持ちがきれいになる気がします」あたしは、賽銭箱の前でぽんぽんと手を合わせると、破魔矢を買った。・・・それからふたりで天ぷらそばを食べた。「もしかして、大晦日に食べましたか?」「ええ」「すみません」「でも、家で自分で作ったのよりおいしいです」それきり黙って、正月の寒い街...全文を読む

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整頓

にがくてあまい午後

2013.02.11 (Mon)

 五日の土曜日。あたしは、都内のホテルでお見合いパーティーに出てた。・・・ホテルの食事はボリュームが少なくてだけどお洒落だった。色んな男の人と女の人がいた。要するにここは、結婚相手を見つけるとこだってことだ。挨拶が一通り終わるとフリータイムになった。静かで目立たない感じの人がひとり、壁際でワインを飲んでいた。「こんにちは」「こんにちは。・・・小説を書かれるんですか?僕、読書感想文は昔から苦手で」「あ...全文を読む

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ひも

にがくてあまい午後

2013.02.13 (Wed)

 「それで?」きっこはヴェローチェでコーヒーから目を上げてたずねた。「あんた、航空券手配しちゃったの?」「うん」「うーん」きっこは言った。「いいんだけどさ、あんたに経済力があれば」「?」「鈍い子だね」きっこは言った。「それって、要するにこれから何度でも、あんたの自腹切って会います、って言ったのと同じだよ」「でも、白須さんは三月に大きな仕事がはいるって・・・」「じゃ何故それまで待てないのよ」きっこは苛...全文を読む

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母親

にがくてあまい午後

2013.02.15 (Fri)

 だけどその夜頭痛は止まらなかった。・・・あたしは、お風呂にも入らず着替えもせず突っ伏して寝た。(白須さん)(白須さん)次の日。心配したパパが、電話してきた。「やあ」「・・・」「疲れてるのか」「うん」「大槻さんがな」パパは言った。「私のところの掃除が終わったらそっちに回ると言ってる」「ありがとう」昨日の服のままで、布団にぐるぐるにくるまっていると大槻さんが、来た。大槻さんは、酢豚とかぼちゃの煮たのを...全文を読む

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疎外感

にがくてあまい午後

2013.02.17 (Sun)

 次の朝。あたしは、食べ忘れていた七草粥を啜っていた。(もうこれで本当にお正月終わりだ)(ゆうべは白須さんといろんなこと話したなぁ)(白須さん、甘えんぼなんだ)洗濯をいっぱいすると、ひさしぶりに外に干した。カットソーが風に吹かれてひらめいていた。(心の自由があたしにはなかった)夜。パパが来た。「パパ・・・」「なんか九州のやくざとつきあってるのか」いきなりパパは言った。「・・・」「やくざじゃないって言...全文を読む

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残酷

にがくてあまい午後

2013.02.19 (Tue)

 その晩、あたしは白須さんのことをすっかり忘れて眠った。次の日も、できるだけ頭の中からそのことは綺麗に切り取っていた。ご飯はおいしくて頭痛はやんでいた。午前三時。けたたましく携帯が鳴った。・・・公衆電話からだ。あたしは直感で思った。(あの人だ)あたしが、白須さんの番号を拒否しているのだから。だけど、こんな凍えそうな夜に白須さんは家の外へ出て行ったのだろうか。あたしは、三十分ほどためらってからマイクロ...全文を読む

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尊重

にがくてあまい午後

2013.02.21 (Thu)

 次の日、診察室でドクターこと細川先生は、はっきりいやな顔をして言った。「よくないですね」「・・・」「君が、航空券代を払う必然性は全くありません」「でも」「それと、君はどうもお金を使われやすい傾向があるから、権利擁護センターにも相談した方がいいですよ」「あたしは」「君が、間違った方法でストレスを発散させようとするからこういうことになります」「・・・」「どこか、発達障害支援センターにでも行って、居場所...全文を読む

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安全

にがくてあまい午後

2013.02.23 (Sat)

 結局、あたしは白須さんと交信するのをやめた。正直、白須さんが怖くなったのもある。白須さんの大言壮語を聞いているのは気持ちがよかった。・・・疎外されているもの同士で生きてるって実感もあった。だけど、白須さんは結局あたしに責任を押し付けている。自分が乗る航空券を、あたしに払わせているのがいい例だ。そういうことも、世の中にはあるんだろうと最初は思った。だけど、あたしが払った一万六千円は自分のお金じゃあな...全文を読む

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揺らぎ

にがくてあまい午後

2013.02.25 (Mon)

 次の日。路面は固く凍結していた。・・・電車もバスも遅れていた。来るはずの大槻さんは、途中であきらめて帰って行った。あたしはひとりきりで少ししょんぼりしていた。実際、否定的にであれ肯定的にであれ、考えるのは白須さんのことばかりだった。きっこがいつか言ったセリフがフラッシュバックした。「結局さ、あんた不倫札なんだよ」「それひどくない?」あたしはジンジャーエールを飲みながらむっとして言った。「男が求めて...全文を読む

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相談

にがくてあまい午後

2013.02.27 (Wed)

 あたしは、次の日思い余って伍嶋叔父さんに電話してた。「敦美ちゃん、元気かい」「ええ」「お見合いどうしたね」「そのことなんですけど・・・へんな人、いえちょっと変わった人と知り合って」「ほう」「気は合うんです。でも、その人PC関係の不安定な仕事をしてて」「・・・」「会いたくなって、あたしが航空券買っちゃったんです」「敦美ちゃんが向こうの?」「はい。三月に大きな仕事入るまで余裕ないって言うから。結局キャ...全文を読む

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