にがくてあまい午後

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【  2013年03月  】 更新履歴 

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  03.01.  【 にがくてあまい午後 】  恋愛   さわりを読む▼
  03.03.  【 にがくてあまい午後 】  一つの終わり   さわりを読む▼
  03.05.  【 にがくてあまい午後 】  転がる心   さわりを読む▼
  03.07.  【 にがくてあまい午後 】  願望   さわりを読む▼
  03.09.  【 にがくてあまい午後 】  打算   さわりを読む▼
  03.11.  【 にがくてあまい午後 】  エリート   さわりを読む▼
  03.13.  【 にがくてあまい午後 】  大人   さわりを読む▼
  03.15.  【 にがくてあまい午後 】  浮気   さわりを読む▼
  03.17.  【 にがくてあまい午後 】  仕返し   さわりを読む▼
  03.19.  【 にがくてあまい午後 】  仕事   さわりを読む▼
  03.20.  【 にがくてあまい午後 】  定義   さわりを読む▼
  03.22.  【 にがくてあまい午後 】  疲労感   さわりを読む▼
  03.23.  【 にがくてあまい午後 】  かすかな星   さわりを読む▼
  03.24.  【 にがくてあまい午後 】  バレンタイン   さわりを読む▼
  03.25.  【 にがくてあまい午後 】  辛い   さわりを読む▼
  03.26.  【 にがくてあまい午後 】  成功   さわりを読む▼
  03.27.  【 にがくてあまい午後 】  再会   さわりを読む▼
  03.28.  【 にがくてあまい午後 】  あとがき   さわりを読む▼


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恋愛

にがくてあまい午後

 それからあたしは。白須さんといろんな話を夢中でした。百億年くらいの孤独感が溶けてゆく感じがした。「僕はね」白須さんは言った。「十年・・・いや、二十年前この業界をひっくり返そうとして失敗した。その時、離婚もしたし国へも帰った」「そうだったんですか」「今は、ただここで世の中がどう流れてゆくかを見るだけだと思ってる」「それがいやだから、東京への航空券取ってって無茶言ったんじゃないんですか?」「はは、ただ...全文を読む


一つの終わり

にがくてあまい午後

 あたしは、絵本を正式に世界文学館からひきあげた。編集者も企画の人も、露骨にいやそうな無表情だったけど、あたしは平気だった。・・・その代わりに、毎日白須さんとチャットした。そんなある日。あたしは気分が急にわるくなって寝込んだ。・・・無理してた疲れがどっと出たのだろう。夕食を早めに切り上げてパパが帰ったあと、ベッドでスマホで遊んでいたらふっとフェイスブックのメッセージが赤くなっていた。(?)なんとそれ...全文を読む


転がる心

にがくてあまい午後

 それでも。あたしの心には一点の不安が消えたわけではなかった。その日、運悪くかよくか白須さんとはチャットが繋がらなかった。・・・伍嶋叔父さんは、まだ起きているだろうか。「夜分すみません・・・こんばんは」「どうしたの」温かい声が返ってきた。「あの・・・こないだの人のことなんですけど」「どうしたね」「あたし、本当は航空券取りたくないって一度言いました」「・・・」「だけど」あたしは続けた。「これじゃ、もし...全文を読む


願望

にがくてあまい午後

 次の日も。その次の日も、白須さんから連絡はなかった。あたしは切ないくらいさみしかった。勘のいい白須さんは、あるいはあたしの疑う気持ちを見抜いたのかも知れない。あたしは、とうとうやりきれなくなってアップルパンを焼いた。りんごを十二等分して、フライパンでバターと砂糖と炒めてキャラメリゼして、ホットケーキミックスと牛乳と卵を混ぜて、出来上がったりんごを並べた上に流し込んだ。レンジで簡単にチンした割にはス...全文を読む


打算

にがくてあまい午後

 土曜日。あたしは東京駅の北口で息を白くして、志岐さんを待っていた。「こんにちわ」「こんにちわ」「ここのステーションギャラリーね、だいぶ雰囲気変わったようですがいいですか?」「はい」二人で見る、現代美術展は楽しかった。丸ビルのカフェで、ビーフカレーと珈琲をご馳走になった。窓からは改装した東京駅がよく見えた。志岐さんは確かにいい友人なのに違いない。夜、タニタのおせんべいを齧っていたら、「メイド・イン・...全文を読む


エリート

にがくてあまい午後

 日曜日。あたしは、いい加減疲れて来ていたけど、新橋のホテルで新しいお見合いの相手を待っていた。やって来た新間さんは、背が高くてかなりイケ面な人だった。ホテルの最上階で、紅茶とキャラメルのケーキを頂きながらあたしたちは話した。「僕、区役所に勤めてるんです」「はい」「やっと管理職になりました」「そうですか・・・」「僕はだいたい回り持ちでどんな仕事もそれなりにこなしてきた自信があります。でも」「でも?」...全文を読む


大人

にがくてあまい午後

 ある朝。あたしは、胃がんの検診のために六時に起きた。・・・メディカルセンターの予約は九時半だったけど、三時間前にお薬を飲めと説明書には書いてあった。まだ寒い街路を自転車でびゅんびゅん飛ばした。耳がきーんと痛くなった。白須さんとチャットを始めてから、正直朝の街は久しぶりだった。白須さんがものすごい夜型で、それに合わせてたからだ。メディカルセンターはこじんまりして綺麗だった。「あちらの右手の更衣室で着...全文を読む


浮気

にがくてあまい午後

 もう朝はほとんどあたしの生活の中になかった。・・・昼過ぎ起きて、深夜白須さんと夢中でチャットした。だけど白須さんはだんだん仕事が忙しくなってるみたいだった。そんなある日。白須さんから一通メールが入った。「打ち合わせで疲れたので、ネットカフェのマッサージチェアで休憩して帰ります」あたしはちょっと躊躇ってから電話した。「やあ」「お疲れ様です」「ふふ」「ネットカフェなら、今疲れてなければスカイプできます...全文を読む


仕返し

にがくてあまい午後

 次の日、あたしは何だかむかむかしていた。正確に言うと、体がぐらぐら揺れるような感じがした。(白須さん)・・・午後八時ごろ、ついにあたしは思い切って電話を入れた。「白須さん」「なんだい」「浮気、してるでしょう?」「ひどいなぁ」白須さんは答えた。「敦美ちゃんの被害妄想だよ」「そんならいいけど・・・って言うか、それだったら悪かったです」「じゃ、仕事だから」しかし、十時ごろ再び電話したけど今度は繋がらなか...全文を読む


仕事

にがくてあまい午後

 火曜日。あたしは、いつものように小説サークルの例会に出ていた。・・・会は楽しかった。合評会が終ったあと、いつものように昔風ナポリタンを皆とたべながらあたしはぽつんと言った。「何だか最近、頑張れないんです」「あら、いいのよ」宝珠さんが言った。「頑張れない日は、頑張る日のためのお休みだから」「・・・」「何があったの?」田万川さんが聞いてきた。「彼氏・・・っていうか好きな人が浮気してるみたいで」「あら」...全文を読む


定義

にがくてあまい午後

 あたしの紹介文が、見合い相談所の全国紙に載ったので、身辺は騒がしくなっていた。中でも、例の茨城に住むおまわりさんからは、日に二通も三通もメールがあった。その人の写真は、冴えなかったけどあったかい春の日のように輝いていた。「僕は、二人でずっと笑っていられる夫婦が目標です」と、その人は言った。あたしは。素直に嬉しかったけど、半分外国語を聞いてるような気もした。あたしの家族は。お兄ちゃんのことがあってか...全文を読む


疲労感

にがくてあまい午後

 土曜日。あたしは新間さんとブルガリア料理を食べていた。「ブルガリアってヨーグルトばかりじゃないって言うけど、結局味付けはヨーグルトですよね」「インド料理みたいな味もしますね」それから、地下鉄をぐるっと乗り継いで新国立美術館に行った。建物は立派だけど、やってる現代美術はあくびが出るほどつまらなかった。ヴォーグのカフェで、新間さんはエクレアセット、あたしは抹茶ラテを飲んだ。・・・新間さんは一回目のデー...全文を読む


かすかな星

にがくてあまい午後

 白須さんは、相変わらず仕事で忙しいらしく連絡はなかった。あたしはまた酷い頭痛がして、いらいらしてた。ふと思い立って、「フォレスト・ガンプ」のテーマ曲をユーチューブで聞いた。何だかふと涙が出た。あたしを。お兄ちゃんから、パパが結局完全に守れなかったのはなんでなんだろう。その夕もパパは来た。・・・あたしはすごい頭痛がガンガンしてたけど、黙って佐藤さんの作ったご飯を一緒に食べた。最後にパパは言った。「お...全文を読む


バレンタイン

にがくてあまい午後

 朝。あたしは、めずらしく早く目が覚めて、ベッドサイドテーブルの書類の山をうっかりどさっと倒した。と、一枚の葉書がずれた感じで出てきた。(?)「あけましておめでとうございます。敦美さんのことを時々思い出します」(!)これは。年頭に届いて、あたしがなんとなく無視してた芹田の年賀状だ。何だか、らしくもなく、動揺している自分がいた。(白須さん)年末年始は、白須さんのことで頭がいっぱいで他のことに気をむける...全文を読む


辛い

にがくてあまい午後

 バレンタイン当日の夜。あたしは、荷物を追跡してた。・・・芹田は、不在票を確認して、集配所でチョコを受け取ったらしかった。なんとなく、まだ迷いながら十時ごろ、結局Cメールをした。「こんばんは。字が汚くてごめんね。いろいろ傷つけたこと謝るの忘れていました」一時間くらいしてメールは返ってきた。「チョコレート受け取りました。ごめん」そのあとは、話はスムーズに進んだ。「今、支援所にいないの?俺見学に行ったよ...全文を読む


成功

にがくてあまい午後

 朗読会の日が、来た。あたしは、見合い用に買った一番上等なカシミヤの茶のワンピースを着て、白と黒のコットンパールを身に着けた。・・・それから、ママのところへ久しぶりに行くと言うパパが、わざわざマンションの玄関まで車を回してくれた。「ゆっくり読みなさい」「うん」「ゆっくり、な。お前は早口だから」車は、駅前で止まった。あたしは、列車に乗り込んでごとんごとん揺られる頭で思った。(失敗できない)(でも、失敗...全文を読む


再会

にがくてあまい午後

 朝。あたしは、めずらしく早く起きて、マンションの通用口を出ようとしていた。ふと、ごみ置き場を見ると、懐かしいカーキの制服の人影があった。「新城さん」「おはようございます」新城さんはぺこっと帽子を取って頭を下げた。「もう、管理人さん辞めちゃったんだと思ってました。芥川賞受賞、おめでとうございます」「いえいえ」「・・・あたし、新聞取ってないので、昨日小説の会で知りました」「賞金で、海外旅行行ってたんで...全文を読む


あとがき

にがくてあまい午後

 皆さん、やや尻切れトンボではありますが、一応ここで、小説「にがくてあまい午後」は、打ち止めにさせていただきます。この半年間、たゆまず更新してきましたのは思ったより大変でした(笑)。こういう、何か恋愛事件があるようで、何にも起こらない話がよく、アクセス数はともかくとして、FC2ブログランキング・ロマンス部門でここまで支持されましたことを、奇跡的だ、ともまた素直に嬉しいなとも思います。敦美ちゃんも、お父...全文を読む

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