にがくてあまい午後

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籠の鳥ーJAILBIRD-

第十四章


木崎は、廊下の椅子の上に資料をどさっと広げた。

亜美は、ちんぷんかんぷんのまま、1枚1枚目を通して行った。「あなたの中に、このような問題はありませんか・・・?」

木崎は、ひとり言のように言った。「そう、問題」

亜美は言った。「この、会場問い合わせと言うのは・・・?」

「マップがあるでしょう」

亜美は、すばやく目を通した。

「A教会、K教会、B公民館・・・。教会・・・?あれは、お祈りなのですか?」

木崎は、眼鏡をかけている人が、眼鏡を直すようなしぐさで言った。

「平安の祈り、を読んだんだね。ラインハルト・ニーヴァー。アメリカの神学者の祈りだ」

「私、神学はあんまり・・・」

「それは、分かっている。ミーティングに神学は不要だよ」

「はぁ」

「そこに、おおよその規則が書いてあるでしょう。まぁ、行ってみれば分かる。ただ一つ・・・」

「はい?」

「君のやりそうな事だが・・・」

「はい」

「クロストーク、を、しては、いけません」

「・・・・・・・」

「他人の話に、口を挟む事。他人の意見を論評する事。これらは、厳禁です」

「はい」

「ただし・・・」

木崎は、とんぼのような目をさらに大きくして言った。

「もし、君がそれが守れなくて、ひとつのグループが崩壊したとしても、それは君の責任ではありません」

「・・・・・・・」

亜美が、途方に暮れて黙っていると、木崎はそう言い捨てて、席を立ち「デイケア」の扉を開けた。

そして、振り向きざまに資料の1枚を指さしてこう言った。

「今の君に、お勧めなのはこれだね」

亜美は、うつむいて資料を見た。

「サヤン。SAYAN。・・・生き方に滞りを感じる女性の会」

「それは、例の佐伯先生の家庭機能研究所付属ミーティングだよ」

「家庭機能研究所」

「あとは、お得意のPCで調べなさい」


亜美は、その夜家に帰ると、「家庭機能研究所」と「サヤン」を打ちこんだ。・・・答えは、すぐに出てきた。亜美は、画面を注視した。

「R地下鉄駅、6番出口を出て、徒歩6分。19;00~20;30」

更に、亜美は検索した。

「家庭機能研究所の、講演会のお知らせ。20日。15;00~17;00 ’あなたの家庭はどこかへん?’講師、安西美津子。3000円」

亜美は、もうR地下鉄駅に降り立つ覚悟を決めていた。

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