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刻印-sin-

第4章

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雨は再び雪に変わりつつあった。葵は、やっとの思いで部屋に帰りつくと、暖房のスイッチを強にした。コートを脱ぎ、ひざ丈のスカートの上に着たシフォンのブラウスのボウタイをほどくと、頭を抱えた。

(このままじゃ)

(このままじゃ)

(・・・いいように流されてゆく)

意を決した葵は、スマートフォンを取り出すと、よく知っているメルアドを震える手で押した。

「こんばんは。寒いですが大丈夫でいらっしゃいますか。先ほどはありがとうございます。でも、お話はお受けできません」

メールは帰って来ない。・・・死ぬ思いで5分待ったところで、着信音が鳴った。

「まだ、自分に正直になれないんだね。いいよ、僕は別に。今度は他の子に声掛けるから」

「・・・待ってください」

「そう言えば、君の電話番号知らなかったよね」

「はい」

「ワンきりで掛けて」

葵は、3分ほど躊躇ってコールした。程なく電子音が鳴った。「こんばんは」

「こんばん・・・は」

「今、さっきと同じ服装?」

「はい」

「そっか、ふふ。ストッキング脱いで」

「え・・・」

「素直で、ないね。見てないんだから恥ずかしくないでしょう?」

葵はがたがたしながら、ベージュのストッキングを脱いだ。

「どんなパンティー履いてるの」

「・・・サーモンピンクの普通のです」

「そう」凱男は冷たい感じで言った。「これからは、紐の細い黒のTバックしか駄目だよ」

「はい」

「いい子だ」

「・・・」

「もうぐちゃぐちゃだよね。ちゃんと返事して」

「はい」

「じゃ、切るよ」

「え・・・」

「何か、期待してたの?」

「・・・」

「僕ね、従順でない子、きらいなんだよ。君には、さっき言ったようにクリバイブを薦めます。じゃ」

電話は切れた。・・・凱男はネクタイを緩めていた。

「いいのぉ先生」
 
「こういう子はね、これでいいんだよ、実花」

「よく分かんない」

「ああいううぶな子はね。・・・徐々に、徐々に、刺激を強くしていく。本人が望んでいるよりほんの少し強くいたぶる」

「ふぅん」

「・・・そうすると、蛇に睨まれた蛙みたいに、どんどん意のままになってゆくんだよ」

「バッカみたいな女ねぇ」

「ふふ、実花には分からないね」

「あたし尻軽だもん」

「いい子いい子」凱男は実花を抱きしめた。「ホワイトデー、お返しは、なにがいいかな」

「センセイ自身」

「可愛い・・・ね」

一方、葵は途方に暮れていた。

(どう、しよう・・・)

(紐の細い黒のTバックって・・・持って、ない)

(買わなきゃ)

(でも)

外は白く雪で染まり始めていた。

(せんせいに・・・バレンタインにストロベリーシャンパントリュフ、作ろうと思ってたのに)

シフォンのブラウスを脱ぐと、葵はベッドに横たわった。何故か後から後から涙が出てきた。躰は震えていた。素足を伸ばすと、心地がよかった。

(せんせい)

(わたしを)

(どこにつれてゆくのですか)

凱男は実花の胸を愛撫しながら思った。

(葵)

(俺の見つけた)

(最高の・・・期待通りの雌)

(その、理性も才能も躰もこの俺が、喰い尽してやる)
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