にがくてあまい午後

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第12章

「なぁに、あれ」実花はサマンサ・ベガのバッグを横に置きながら言った。

「ふふふ」

「せ・ん・せ・い~」

「ああいう子はね」凱男は言った。「自分の目の前で、他の子とされるのが大好きなんだよ」

「何それ」実花は、真っ赤なミニワンピを自分から脱ぎながら言った。「変態」

「・・・自分じゃまだ、気づいてないけどね」

「なによぉ」実花は言った。「あんな子に気を取られて。・・・実花はいつも先生と二人じゃないといやぁよ。その代わり、なぁんでもしちゃうけど」

「ふふっ、いつものように僕の性感帯を思いっきり刺激して」

「いいわよ」実花は、凱男の裸の上にゆっくり手を滑らすと、男根を軽くしごいた。それから、右の乳首に歯を軽く立てた。「うふふふっ」

「気持ちが・・・いいなぁ」

「うふふっ、先生これすると3分で逝っちゃうのよね」

一方、歌舞伎町の横を、横殴りの雨の中を、泣きながら駆けてゆく葵がいた。

(サイテイ)

(サイテイ)

(私・・・騙されたんだ)

「どうしたの?」

声を掛けられて、はっと振り向くと、元BFの秀彰がそこにいた。「ブラウスのボタン、外れているよ」

葵は慌てて、第2ボタンを止めた。秀彰は、懐かしい青い傘をさしていた。「2ヶ月ぶりだね」

「・・・そうね」

「本当に、どうしたの?」秀彰は屈託ない調子で言った。「スターバックスで、お茶飲んでいかない?ずぶ濡れだ」

葵は更に大声で泣きだした。「おいおい」秀彰は、困ったように言った。「俺が泣かせたと思われる」

「ごめんなさい」

「葵はいつも、『ごめんなさい』ばっかりだ、はは」

「・・・ありがとう」

「そっちの方が、ずっといい」そのまま、秀彰の傘に守られて、駅中のスターバックスに二人はようやく到着した。

濃い、エスプレッソを飲みながら、葵はわざとぼかした話の輪郭だけを秀彰に伝えた。

「ひどい、男だな」

「ううん・・・」

「葵がつきあう男じゃない」ソイラテを飲みながら、秀彰は断言した。

「そうでもないのよ」

「え?」

「あの先生の前だと、私正直でいられる。・・・というより、どんどん本性を引きだされていく」

「それは依存だよ」秀彰は呟いた。「ごめんなさい、あなたにこんな話聞かせて」

「・・・いいんだよ」うつむいて、秀彰は言った。「俺の方こそ」

「フィアンセさんとは、うまく行ってる?」

「ああ」秀彰はさみしそうに言った。「6月には、挙式だ」

「ありがとう」

そのまま、立ち上がると秀彰は二人分の勘定を黙って払った。「いいのに」「いいんだよ」「・・・」

「俺、家駅から近いからさ。この傘、貸すよ」

「いいの?」

「いいよ」青い傘を受け取った葵は、少し右肩を落とした秀彰が群衆の中に消えてゆくのをずっと見ていた。
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