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籠の鳥ーJAILBIRD-

第十七章

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「あるところに、ある少女がいました。・・・その子の両親は、ある日外出する時、その子に言いました」

「地下室の扉を、開けてはいけないよ」

「さて・・・彼女には、きょうだいは居たと思いますか」

亜美は、手を小さく挙げて、つぶやくように言った。

「・・・盲目の、妹がいた」

先生は、言った。「なかなか面白い答えです。さて、他の質問はありませんか」

他の人が、手を挙げて言った。「何故、地下室のドアを開けてはいけないと?」

「さあ、なぜでしょう」

「彼女は、その言いつけを守りましたか?」

「いいえ、守りませんでした」

「その結果、罰が与えられましたか?」

先生は、一瞬沈黙して言った。

「そうですね。・・・彼女の、親自身からではありませんが、とても重い罰が与えられたかも知れませんね、彼女には」

「それは、何ですか?」

「さぁ、何でしょう」

聴衆は、少しざわざわして来た。

再び、亜美は質問した。「何故、彼女の両親は、わざわざ”ドアを開けるな”と?」

先生は、少し苦笑いした。「どうしてでしょうねぇ」

誰かが、はっきりした声で質問した。

「彼女は、地下室のドアを開けて、何を見たのですか?」

「外界です」

聴衆は、一斉にざわめいた。

「分かりました!」

「そうです。・・・彼女は、地下室にずっといたのです。彼女が、見てはいけなかったのは、光です」

亜美は、くらくらしてきた。隣の、二人組もそうらしい・・・

「そんな家庭が、本当に・・・」

「あるのです。・・・欧米のどこかの家庭の実話です。しかし・・・」

亜美は、席を立った。周りは、一斉に亜美を注視した。「私、ちょっと化粧室へ行きたいです」

先生は、憐れむような顔つきで亜美に言った。

「どうぞ、ご自由に」

亜美は、ふらふらした足取りでドアへ向かった。化粧室は、ドアのすぐ傍にあったが、扉を開けると、大きな注意書きが眼に飛び込んできた。

「吐くこと禁止。家庭機能研究所」

これじゃ、嘔吐も出来ないじゃない。何かのホラーみたいだわ。

亜美が、何とか胃をなだめて、外に出ると、二人組がすぐ眼の前に立っていた。いきなり、話しかけてきたのは、年配の女性の方だった。

「酷い話だったね」

「ええ・・・」

亜美は、やっとの思いで答えた。

「いらっしゃい、SAYANへ。そこにあなたの居場所もきっとあるわ」

居場所?2度目に聞くセリフだ。

「このビルの地下よ・・・」

亜美は、まっすぐに暗いエレベーターを、この二人組と一緒に、黄泉への道へのようにどんどん下って行った。
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