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にがくてあまい午後

寒い

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急に秋と冬が、ごたまぜに来た。

・・・あたしは夜中に、冬山で遭難する夢を見て目を覚ました。当たり前だ。まだ、タオルケットで寝てたのだ。

眠かったけど、毛布をクローゼットから引っ張り出してぐるっとくるまった。体はあったまって来たけど、足が冷えていた。仕方なく、起きだしてインスタントコーヒーを入れた。ブラックで飲んだので目は冴えてしまった。

あたしはぼんやり、夕方に小説のサークルの後、田万川さんと宝珠さんにお見合い相談したことを思い出していた。

あたしはナポリタンを食べながら言った。

「誰でもいいんです。・・・年上で、お金あってやさしい人なら」

「それってねぇ」田万川さんは曖昧な笑い方をした。「夫婦って、期待するとやってけないわよ」

「・・・」

「家だって、『いつも俺の指図に従え』って言うわよ普通に」宝珠さんもアイリッシュコーヒーを飲みながら肯いた。

「そうそう、こないだ句会へ夫と行った時だって」・・・話は世間話になってしまった。

帰りに、目立たない垣沼さんが言った。「まぁ焦ってもしょうがないから」

あたしは電車にごとんごとんと揺られながら思った。

小説のサークルのおばさんたちは、わるい人たちじゃない。でも、いわゆる有閑マダムなのだ。

有閑マダムにとって。

喫茶店でアイリッシュコーヒーが飲めないことも、毛布があっても肌掛けふとんがないことも他人ごとだ。

もし、昔風ナポリタンを普通に会の後に食べられない人がいれば、その人は「仲間じゃない」ってことで皆の視界から消える。それだけだ。

あたしはここんとこ、就労支援所で親切な人に囲まれてたので、皆の反応はちょっとショックだった。

・・・仕方なく、夜中に、きのう届いた結婚相談所の資料を、封筒から出してみたけれども、なんだかゴルフの会員権の勧誘のお知らせみたいだった。

(結婚って、世間に認められるための会員権なんだ)

と、あたしはやっと鈍い頭で了解した。

だったら、皆が「なんでもっとかわいかったうちに手を打たなかったの」って、憐れむような目で見るのも当たり前だ。

結婚は。

自分が成長してするものでも、恋愛勉強してするものでもなかった。

ただ、自分の能力と人生を男に売る決意をすることだった。

あたしに。

それができるんだろうか。

あたしはがっかりして、ブルーの毛布にくるまってうつらうつらまた寝込んでいた。

朝だ。

新城さんはいつものように掃除をしてる。郵便受けをのぞくと、こないだ書いた童話が出版社から帰ってきてた。

(落ちたのかなぁ)

あたしはおそるおそる封筒をのぞき込んだ。

「採用です。ラフを持ってきてください」

やったぁ。

また、ひとつ目標が出来た。

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