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にがくてあまい午後

三連休

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三度目の三連休が来た。

あたしは、都心行きの電車にごとんごとんと揺られて童話のラフの打ち合わせに向かっていた。疲れはまだ少し残っている。

年配の編集者が言った。「ここさ」

「え?」

「表現に矛盾があるでしょ」

「はい・・・」

「それからね」

「?」

「子どもの表情に、もっと気を配って欲しいんだな」

「ええ」内心あたしはうなった。(どうしよう)

(静物は得意だけど、生き物の表情って苦手なんだ)あたしの顔色を見透かしたように、編集者は言った。「ま、いざとなったら色でごまかせばいい」

「色?」

「背景の色でだいぶ雰囲気が変わる」

ふうん。

「あとね、本屋で少し他の童話も手に取って見て」

帰り道、あたしはリブロに入ったけどお勧めの絵本はなかった。川上弘美の新刊を買って鞄に入れた。

もう冬物の季節だ。

g.u.に寄ったけど、買いたいコートはなかった。というか若い子向けのトレンドばっかりだった。

(もうそろそろおばさんだしなぁ)

代わりに、自動販売機でフォションの抹茶ラテを買った。(これでおうちカフェにして連休過ごそう)

実際、あたしのようなひとりもんの障害者にとって三連休は試練の時だ。

マンションに帰って、PCを開いてフェイスブックを見ると、皆どっかに出かけたり外食したりしてる写真がアップされてた。

(東京駅)

(ヒカリエの酢膳)

(いいなぁ)

夢中で、文庫本を読んでるといつのまにか四時を回っていた。あたしは焼き鳥をあっためて、茄子とピーマンとトマトの揚げびたしを作った。

「パパ」

「やぁ」

「いらっしゃい」

「退屈したろう」パパはちょっとふらついていた。「大丈夫?」「上野まで行ってきたんだよ」

「そう・・・」

「お、焼き鳥いいな」

「へへ」

こういう時は、パパの存在が助かる。・・・恋人いればもっといいなとは思うけど、あたしはだんだん最近若い子がうっとおしくなりつつある。

(年かなぁ)

(若い男の子は、スタイルとか顔の皺とか気にするもんな)

「敦美、結婚するのか」急にパパが聞いてきた。「え?」

「・・・相談所の資料だろう、それ」

「うん」

「誰かと一緒になるのはいいが、よく人を選びなさい。敦美が普通のサラリーマンの世話をするのは無理だぞ」

「そうかなぁ」

「・・・優しくて、敦美が疲れても代わりに料理作ってくれる人がいい」

「だね」

TVではAKB48がフリフリの赤いチェックのミニスカで紅白のPRをしてた。もう、年末は近づいている。

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