にがくてあまい午後

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にがくてあまい午後

朝と夜

いつものように、朝が来た。

ベランダに出て、(めんどくさいな)と思いながら洗濯物を干していると、新城さんの姿がなかった。・・・あたしは、ご飯に焼き鮭のくずしたのをかけて、ブロッコリーのおかか和えと食べた。

玄関に出ると、管理人室に張り紙があった。

「一日旅行にでます 新城」

あたしは少し気が抜けて、それでも自転車を支援所に向けていつものように発進した。ところが、今度は元木さんの姿がなかった。(あれ)

「あ、敦美ちゃん」

「はい」

「元木さん、風邪でお休みなの。・・・ひとりでヨーヨーキルトの続き作ってて。その内洲村さんが代わりに来るから」

洲村さんはまもなく来た。

「あのう」

「ここね。・・・ここは隠れちゃうから、ちょっと縫い目見えてもだいじょうぶ」

「はい」

洲村さんは優しい。「あのね・・・」「ん?」あたしはいつになく真剣に言った。「男の人って、やっぱり素直に甘える人が好きなんでしょうか」

「木村さん、すごく我慢してるでしょ」洲村さんは笑った。「もっと甘えていいのよ」

「・・・」

あたしはその夜、なんだかぼんやりして昔みたいに終電の来る駅の前でうろうろしてた。カモはすぐ見つかった。

「一人?君」

「・・・家出してきたんです」あたしは小さな声で言った。「泊めてあげるよ」「ほんとですか?」

「ああ」

「でも」

「ふふ」

その人は、50手前に見えた。「それともホテル代払ってあげようか」「嬉しいです」

ホテルに着くと、その人は言った。「きみ初めてじゃないよね」「ええ」「縛ったりするの平気?」「・・・平気です」

あたしは、真っ赤な紐でぐるぐるに縛られた。昔と違って、なんだか紐に違和感があった。

やってるうちに、あたしはむなしくなった。「あ・・・」「どうしたの?とってもいいよ」「・・・」

適当にいったふりして、あたしはタバコ吸ってるその人に言った。「やっぱり帰ります」

「ええ?」

「ごめんなさい」

あたしは走った。

全力でマンションまで走った。

ふと、気が付くと玄関の前だった。横の自動販売機がぴかぴか光ってた。「う・・・」

あたしは泣いた。

(もうやめよう)

(こんなこと二度とするのやめよう)

(自分を大事にしよう)

(けいちゃんとけいちゃんに会わせてくれたすべての人のために)

・・・この暗い空のどっかから、神さまが見守ってくれてる気が生まれて初めてした。

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