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にがくてあまい午後

差別

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次の朝、あたしは疲れてなかなかベッドから起き上がれなかった。

ただ。

青い毛布とチェックの布団にくるまって、寒さをこらえながら、あたしのわるい頭で考えたのは。

あたしは、いまんとこ書ける。・・・病気も半分くらい治ってる。これから、気をつけていけば仲間はできる。

だけど。

たぶん、日本人じゃなかった(に違いない)けいちゃんには、生まれた時から味方はいなかったのかもあるいは知れない。

あたしだって。

あの嫌な記憶以来、友達なんかいなかった。・・・わかってくれる人もいなかった。病気になってそれは拍車がかかった。精神病院に入院したことがある人を、人間扱いする人はいない。

だけどもっとそれよりつらい人も、世の中にはいるのかもわかんない。

あたしは、気がつくとK’sヘルパーセンターに電話してた。「佐藤さん」

懐かしい声がした。「ごめんね、入り込んで」

「いえ」

「もう、来ない方がいいのかな?」

「そんなことないです。ただ・・・」あたしはぐるぐるする頭で言った。「病気でも」「え?」

「確かに、自殺したりお酒びたりになったり、SEXにはまる人は弱いのかも知んないです。病気、なのかも知んないです」

「・・・」

「だけど、そういう人たちも人間なんです」

「・・・」

「病気でも、人間なんです」

佐藤さんは吐き出すように言った。「わかった、わかった、敦美ちゃん。私がわるかった」

あたしは泣いていた。

「行ってもいい?また」

「ええ」

「月曜日、一緒に料理しましょう」電話は切れた。あたしは床に座ってわあわあ泣いた。

(やっと)

(やっと言えた)

(あたしが、三十数年間抱えてた気持ちが)

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