にがくてあまい午後

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にがくてあまい午後

自律

その夜、あたしは何だかいらいらしてた。・・・パパが来ないと言うこと自体より、誰も世話する人がいなくなったことでいらいらしてた。

(あたしは自分の世話をするのが苦手だ)

(だけど人に甘えるのはもっと苦手だ)

誰か、あたしを必要としてくれる人がいるとあたしはしゃっきりする。

あたしは、適当にかき揚げうどんを作ると、服を脱いでパジャマでうどんをこたつで、いい加減に食べた。

(たぶん、パパもにわとりなんだ)

(コケコッコーって癇癪起こすにわとり)

(人を世話したい人なんだ)

だけど、あたしは猫じゃない。

猫みたいににゃあって鳴いて、人にうまぁく甘えたり世話されるのすごく苦手だ。

・・・うどんを食べ終わって、りんごをむいたけどなんか食欲がわかなかった。ふとアイスクリームとナッツ類が食べたくなって、コンビニに出かけることにした。フリースの上にダウンを羽織って、マフラーを巻いて外に出た。

「新城さん」

「はい?」

「まだ、いたんですか」

「ええ、明日停電ですよ」

「え?」

「午前十時から十一時半ですから気を付けてください」

「はい」

「木村さん」新城さんは不安そうに言った。「いい人、みつかりましたか?」

「いいえ、まだ」

「そうですか」

「・・・なんで新城さんがあたしの縁談のこと聞くんですか?」

「木村さんは僕の娘のようで心配です」新城さんは頭をさげた。「では」

なんでいつの間に娘なのかなぁ。

その晩の、抹茶アイスとアーモンドは美味しかった。

次の日、あたしはクリニックに行った。客は二、三人だった。すぐに順番は来た。先生は診察室に入るといつものように聞いた。

「調子はどうですか?」

「・・・また、父と喧嘩しました」

「またですか。原因は?」

「父が、あたしより母や弟が可愛いって遠まわしに言うからです」あたしは正直に答えた。

「しばらく、お父さんとは距離を置きなさい。それで、君自身の生活を作るように」

「自律・・・」

「そうです」

あたしはクリニックを出て思った。(また、エッセイ講座や支援所に思いっきり行けるのは嬉しいけど)

(なんだか本当の居場所って、そこで見つかるんだろうか)

その夜、パパから電話があった。「敦美だいじょぶか?」「ごめんね」パパは言った。「小さいときの傷はなかなか取れない」

「・・・先生が、しばらくひとりでやれって。だからパパのご飯作れない」

「そうか」パパは言った。「不安だったら電話して来なさい」「うん」

電話を切ってあたしは思った。(不安なんじゃなくて、かまって欲しいんだ)

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