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籠の鳥ーJAILBIRD-

第二十二章

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次の月曜日、東さんはデイケアに来なかった。・・・次の週も、次の週も、来なかった。

「あの、深津サン」

「はい・・・?」

「東さんはどうしたんですか?」

「ああ、東さんね」深津サンは、ふっと暗い顔になって言った。「どうやら、鬱が再発してしまったみたいなのよ。暫く、お休みね」

(何か、変・・・)

その晩、亜美は、頭の中で立てた、ある仮説を証明しようと、電話帳に向かった。

(東・・・東・・・)

電話帳に、それらしき名字で、クリニックと同じ町名にあるのは一つだけだ。

亜美は、深呼吸した。それから、震える手でダイヤルした。

「もしもし・・・」

「はい、東です」聞き覚えのある声がした。亜美は、間髪入れず本題に入った。

「私、嵯峨です・・・。東さん。あなた、もしかして、木崎さんに騙されたんじゃない?」

電話の向こうから、消え入りそうな声がした。

「わたし・・・木崎さんが、急に起き上がって・・・『君は、どこまで未熟なんだ。僕の教えた事を、ちっとも理解していない。しばらく、デイケアには来ないように』と・・・」

電話は、そこで切れた。亜美は、電話を握りしめた。

(やっぱり)

(やっぱり)

(木崎さんは・・・私にしたのと同じように、東さんに先に近づいて、それで・・・)

ふと、振り向くと、母親がドアの入り口にいた。

「お母さん・・・」

「亜美ちゃん」例の、気持ちの悪い猫なで声がした。「木崎さんが、どんな人か分ったでしょう?ね?もう、デイケアには貴女も行かない事」

「立ち聞き、したのね・・・」

「あら、だって、母親ですもの」

亜美は、力いっぱい母親を突きとばした。母親は、転びそうな体勢からしたたかに立ち上がって、亜美から受話器を奪った。

「もしもし」母親は、110番を回している。

「もしもし・・・娘が、統合失調症で、私を殺そうとしています・・・助けて下さい」

亜美は、呆然と立ち尽くした。・・・間髪を入れずに、サイレンの音が嵯峨家に近づいていた。

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