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にがくてあまい午後

他人

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水曜日。

あたしは、昔世話してくれてた大槻さんともう一度会うことになってうきうきしてた。

大槻さんは、あたしが引きこもってた頃家に来てたヘルパーさんで、当時まだ生きてた祖母の介護をしてた。・・・あたしのことをよくわかってくれて、「頑張れ」「負けるな」って言ってくれた。

だけど久しぶりにモスで会った大槻さんは変わってた。

「お見合いするんだよ」

「それは」オニオンリングをつまみながら、少し前より老けて太った大槻さんは言った。「よかったじゃない」

「・・・」

「なんでだまるの?」

「あたし、男の人の三食毎日作る自信ない」

「それは仕方ないじゃない」大槻さんは言った。「やるしか」

「ほんとは働きたいんだよ」あたしは言った。「だけど、今喘息酷いしすぐ倒れると思う」

「敦美ちゃんは、恵まれてるから働かなくっていいのよね」大槻さんは少し不愉快そうに言った。

(え?)

「ぎりぎりでも働いてる人沢山いるわよ」

「・・・」

「とにかく」大槻さんは言った。「お父さんをあてにしてるんでしょ。それやめた方がいいよ」

モスの出口で別れて、手を振りながら駅へ向かってゆく大槻さんを見てあたしは思った。(パパをあてにしない方がいいのだけは本当だ)

(だけど)

(大槻さん、昔は「働かない怠け者」みたいにあたしのこと言う人じゃなかった・・・)

(変わったんだ、大槻さん)

(もう)

(あたしの味方じゃないんだ)

・・・あたしは少しむっつりして、割と温かい小春日和のアスファルトを歩いた。今、あたしの味方って言える人っているんだろうか。

(憂鬱だなぁ)

あたしは確かに、今なら働けるかも知れない。

だけど、多分朝起きて肉体労働して、夜ばたっと寝て吸入器をしょっちゅうかけて。

いずれもたなくなる気がなんとなくする。・・・思い込みかも知れないけど。

(ショウガイシャの味方はあてにならない)

(今日、五千円のセーター着てったのが、もう過去の人の大槻さんの気に障ったのかも知れない)

とぼとぼ歩いてると、マンションについた。新城さんがいた。あたしはわあっと泣きたくなった。涙をこらえてエレベーターに飛び乗った。

(ママはいつもお兄ちゃんの味方をした)

(いつもあたしがふしだらでばかだって言った)

(あたしが)

(欲しいのは)

(味方してくれるお母さんだ)

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