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にがくてあまい午後

転機

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・・・だけども、その晩もあたしはよく眠れなかった。

男の人がいまだに苦手なのもある。

男の人が、信頼できない自分もいる。信頼すると裏切られると思う自分もいる。

気がつくと、あたしは垣沼さんの番号をプッシュしてた。

「夜分すみません。木村です」

「どうしたの?少しごほごほ言ってるわよ」

「・・・喘息なんです」

「強い薬、吸入しすぎてない?あれは心臓に来るから」

垣沼さんはいつも親切だ。

「あのう」

「?」

「垣沼さんの旦那さんて、どんな人ですか」

「あたし結婚してないわよ」

あたしはびっくりして受話器を落としそうになった。物腰がやわらかくて落ち着いた垣沼さんは、結婚してるものとばかり思ってた。

「すみません」

「いいけど」

「・・・あたし本当はそれが理想なんです」

「結婚しないで、自分で働いて暮らすこと?」

「はい」

「その咳じゃあねぇ」垣沼さんは冷静に言った。「咳治ったら・・・臨床美術士になりたいんです」

「いつか言ってたね」垣沼さんは確認するように言った。「資格取るの難しいの?」「三か月くらい、集中授業があります」

「どこで?」

「家から一時間くらいかかります」

「そう」垣沼さんは言った。「咳がなおったら、やってみたら?軽い吸入を、朝晩二回ずつするとかなりおさまってくるわよ」

あたしは電話を切って、かなりほっとして、少しぼんやりしてた。

自分でやるって決めてほっとするなんておかしな話かも知れない。

結婚に頼らないで暮らしていくって決めてほっとするなんてもっと変かも知れない。

だけど。

あたしはもう男の人に期待したり尽くしたりするのに、疲れ果てているんだってすとんと腑に落ちた。

美容院で読む雑誌には。

「男に期待するのをやめましょう」

「尽くすのをやめましょう」

「そのかわり、男の味方になって結婚したいと思わせる女になりましょう」って書いてある。

そうかも知れない。

男ってあつかましい。

あたしはあたしの好きなようにすることに決めた。

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