にがくてあまい午後

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籠の鳥ーJAILBIRD-

第二十三章


やがて、気が遠くなっている亜美の周りを、いつの間にか4人の警官が取り囲んでいた。・・・彼らは、勝手にベッドルームに入って来たのだ。

「これは、どういうことですか」

「娘が・・・娘が私を殺そうと・・・」

亜美は、両耳を抱えて叫んだ。

「私・・・何もしていません」

「何を言ってるんだ、亜美」

「私のご飯が、出来ていないことがあります。私のお風呂が、沸いていないことがあります」

「ウソおっしゃい、亜美さん」サイトウさんが割り込んだ。

「私、さみしいんです」

警官の、リーダー格らしき人が言った。

「もう、いいです。お嬢さん」

警官たちは、亜美の部屋から出て行った。亜美は、初めて自分をこらえた。

(ここで大人しくしていなければ)

(ここで大人しくしていなければ)

気が遠くなる程待ったと思ったが、実際は30分程して、警官たちは亜美の部屋に戻って来た。

「君の、お母さんは、入院します」

「・・・」

「君は、部屋でじっとしていること。お母さんがいなくなっても、家族仲良くすること。出来ますね?」

「はい」

亜美は、消え入りそうな声で言った。頷くと、警官たちはまた出て行った。

サイレンの音が、だんだん遠ざかる。亜美は、母親と揉み合った結果、腕にかすり傷が出来て血が出ているのに、やっと気づいた。・・・絆創膏は・・・ない。

亜美が、傷を舌で舐めて傷口を塞いでいると、小1時間ほどして父親が入って来た。・・・父親は、一周り小さくなったように見えた。

「お前が、お母さんを追いだした」

「・・・」

「お母さんは、怪我はしていないが・・・。病院に入れないと、お前と引き離さないと、いずれTV沙汰になると、警察が言った。・・・嵯峨家から、そんな醜聞は出せない」

「・・・」

「サイトウさんは、辞めるそうだよ」

「・・・」

「お前が、お母さんを、追い出した」

父親は、そう繰り返すと、自室に消えて行った。亜美は、ひたすら思った。

(明けない夜はない)

(明けない夜はない)

(朝になれば、きっと、いいことがある)
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