にがくてあまい午後

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にがくてあまい午後

誠実

だんだん、もうお世辞にも秋ではなくなっていた。朝はずーんと冷え込むし、夜も気を付けないと湯冷めする。

湯豆腐の夜、きっこと、ひさしぶりに電話した。

「見合い、うまくいってんの?」

「うーん」

「なにそれ」

「回復には、一番いいツールだと思うよ」

「?」

「見合いってさ」あたしは言った。「お互いの目に、ハートマーク入ってないの」

「・・・」

「興味がない訳じゃないけど。だから急に怒ったり、わがまま言ったりすると向こうも傷つく」

「それは当然でしょ」

「そうなんだけど」あたしは言った。「要するに、にゃんにゃんすれば仲直り、ってわけにいかないの」

「・・・」

「恋愛みたいに、勝手気ままにしてたらよくない」

「そうなの?」

「うん。だから、お互いがその時のお互いに誠実に応えていくしかないの。駆け引きとか、ないとはいわないけど」

「ううん」

「どっちかっていうと、バッハの練習曲をひいてるような感じ。たんたんと進む」

「あんたピアノやってたことないでしょう?」

「ないよ」

「まぁいいや」きっこはため息をついた。「たんたんと普通に進むのはいいことだよ。あんた服装も落ち着いてきたし」「落ち着いてきた?」「そう」

「・・・」

「あんたわがままだったでしょ」

「うん」あたしは素直に答えた。

「気が付くのはいいことだよ」きっこは言った。「じゃ、ね」

電話を切ってあたしは思った。

わがままなのが自分だったらそれでいいような気もする。

実際、あたしは落ち着いてきた。

相手の気持ちを考えるようになった。

恋愛してるときは、「あなたはわたし、わたしはあなた」だったからわがまま放題だった。

でも、あたしはまだ、本当の自分(なんてあるのかどうかよくわからないけど)を、相手に見せてない気がする。

実際、いやな時は断るのも誠実だ。・・・相手がいやな訳じゃないけど・・・。

檜山さんは本当に大人だし。

でも、あたしにはまだまだ他人に合わせすぎるところがある。

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