にがくてあまい午後

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にがくてあまい午後

北風

あたしは急にぎっくり腰になった。

駆け付けた近所の整形外科では言われた。「軽い椎間板ヘルニアです」

それから、あたしは三日間くらい鎮痛剤が効いたのかことんとほとんど眠り込んでいた。

四日目に佐藤さんが来た。

「あらまぁ、パジャマ?」

「すみません、ヘルニアやっちゃって・・・」

「それは大変」佐藤さんは言った。「いいの、いいの、部屋で寝てて」

その晩の豚肉の生姜焼きとサラダはおいしかった。

次の日。

あたしはコルセットをしたまま、寒い街にイソジンを買いにに出かけた。(檜山さんと会うし、同窓会もあるからちゃんと風邪も直しとこう)

ドラッグストアで買ったイソジンは結構高かった。店を出ると北風がぴゅうぴゅうした。

昨日の晩のパパの声が耳にこだました。

「無理に結婚しなくってもいいんだ。・・・敦美はやっぱり、体弱いってわかったんだから」

だけど。

このままだったらどうなるんだろう。

いつまで、お金続くんだろう。

パパが死んだらあたしはひとりぼっちだ。

あたしはマフラーを巻きなおして、山下達郎の流れる街をあてどなく歩いた。

(不安だなぁ)

(きっと皆不安なんだ)

(皆ひとりぼっちであることに変わりはない)

でも。

一人で暮らすことと二人でお茶を飲むあったかさは全然違う。

だけども。

檜山さんとずーっと仲良くお茶を飲んで暮らしていくこと、あたしにできるんだろうか。

(先取り不安だ)

(まだ何も始まってない)

(終わってもいない)

だけど、本は全然売れてない。

マンションに帰ると、伍嶋おじさんから葉書が来てた。伍嶋おじさんは、ただひとり親戚であたしをいつもかばってくれる母方の叔父さんだ。

「敦美ちゃん。お見合いを始めたようで、『おめでとう』って言わなきゃいけないんだろうけれどもちょっと心配です。結婚したいと思うことと、結婚することは全然違います。願わくば、敦美ちゃんの傷を包み込んでくれる人でありますように」

・・・。

あたしはあたしの病気のこと、檜山さんにはまだ話していない。

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