にがくてあまい午後

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にがくてあまい午後

様々

日曜日。

あたしは益田先生の授賞式に、観客として出てた。三垣先生も涼坂先生もいた。会場は豪華なホテルで、あたしは真っ赤なブーツに唯一持ってる茶色のカシミヤのワンピースで出たけど、それでもちょっと気後れした。

しかし。

一番驚いたのは。

なんと、司会の人が最後に言ったセリフだった。

「なお、新鋭賞は今回残念ながらノミネートに残ったものはありませんでしたが、二井見真琴さんの『さなぎ』と、新城智仁さんの『狂い咲きの桜』が、最後まで選考に残りました」

ぶっ。

ウソ・・・。

新城さん、知らない間にそんな出世したんだ?

あたしは、美味しいバイキングを食べながらさりげなく三垣先生に聞いた。「新城さん、すごいですね」

「ああ」三垣先生は言った。「彼の短編が、マンデー毎朝で特別に取り上げられてね。今や時の人だよ」

次の朝。

あたしが疲れ果てて昼過ぎまで寝てると、玄関のチャイムが鳴った。「誰ですか?」

「パパだよ」

「・・・」

あたしは仕方なくドアを開けた。「よくオートロック空いたね」「なに、管理人さんが開けてくれたんだ」

「いつもの人だった?」

「うん」パパは不思議そうに答えた。「そう」

「腰、どうだ?」

「何とかコルセットでごまかしてる」

「あんまりコルセットに頼らんほうがいいぞ」パパは言った。「かえって、筋肉が弱る」

「ありがと・・・」

「今日は鉄火丼持ってきた」パパは言った。「食事作るのつらかろうと思ってな」

あたしはそれから洗濯をした。パパは閉まってたカーテンを開けてTVを見てた。洗濯物を干すとちょうどお昼だった。

二人で鉄火丼を食べながらあたしは思った。

(やっぱり)

(自立とか言っても、あたしには無理なのかもわかんない)

(こうやって、助けてくれる人いなければ無理だ)

(あたしはずっと突っ張ってた)

ふと、携帯を見ると檜山祐三さんからメールが来てた。「来週の水曜日、銀座でお食事でもどうですか?レディースデイで美味しいフレンチがあります」

その日は童話の打ち合わせの日だ。

あたしは困ってメールした。「ちょっと腰の具合も思ったよりよくないし、外せない予定があります。近所じゃだめですか?」

「いいですよ」メールは優しい調子だったけど、繰り返すように返信が来た。「では、来週の水曜日に十八時半にお願いします」

要するに。

これ以上、予定変更するんだったら会いたくないっていうことだ。

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