にがくてあまい午後

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にがくてあまい午後

甘ったれ

その晩、あたしはなかなか眠れなくてぼけーとしてた。・・・昔、厳しいPSWの女性に怒鳴られたことを何故か、思い出してた。

「あたし、理解してくれる人がいなくて」

「へぇ」

「・・・昔、世話してくれてた大槻さんって言う人が、いろいろわかってくれてたんです」

「じゃ、そういう人見つかるとイイね」

「なんでそういう言い方するんですか?」

「あなたが、お父さんに養われて恵まれてるのに、贅沢ばっかり言ってるから」若いきつい感じのPSWは、投げ出すように吐き出すように、そう言った。

実際は。

大槻さんは、忙しかったのに今夜は夜勤の間を縫って電話に出てくれた。「あたし、自助グループでは結局はみだしっこだった気がする」

「そうかも知れないね」大槻さんは穏やかに答えた。

「みんな、十代から普通に働いて普通に男女経験あるでしょう。・・・あたしが行っても、そういう皆の足手まといって言うか、邪魔だったって気がついたの。甘えたくっても、みんな収入少なくて、自分の生活立てていくだけで精一杯で・・・。支えてくれる女性が、欲しいんだよ」

「うん」

「あたしはそうなれなかった・・・。お見合い、飛び込んでよかったかも知れない。あたし、男の人と長続きしなかったから。支えてくれる男性欲しいから」

「わかったわかった」大槻さんは言った。「気をつけるんだよ、敦美ちゃん」

あたしは電話を切って思った。

あたしは、お母さんには恵まれなかったけど、こうやって忠告してくれる人がいつの間にか増えた・・・。

誰かが。

「独立とは、依存先を増やすことだ」って言った。

お母さんがいないのはさみしい。

ほんとはいる、実の母親に憎まれてるのはもっとさみしい。

でも。

この空気みたいな、お母さんみたいな人が増えたことで、あたしはなんとかやっていけるかも知れない。

一度は他人だと思った大槻さんも、あの時は機嫌悪いだけだったのだ。

若いPSWの吐き出すようなセリフは酷いけど。

あたしは多分、世間から見たら甘ったれに見えるんだろう・・・。

確かに、誰かひとりが自分のことを全部わかってくれて、責任をとってくれることは普通ない。

だから、誰にでも不満を始終垂れ流すのはやめて、他人が機嫌がいいときに、「これをどうしたらいいか分からないから教えてください」って言えば、いいことなんだ。

あたしがそういう風に謙虚になれなかったのは、きっと自信がなかったからだ。

甘ったれるのはそろそろ卒業して、「甘え上手」になりたい。

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