にがくてあまい午後

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にがくてあまい午後

限界

日曜日。

あたしは、鶏の唐揚げをあげながらふと思った。

檜山さんは一人で全部決めてしまう。・・・デートする場所も時間も、あたしの食べるものも飲むものも。

それはある意味楽だ。

だけど、自分のしたいこともしないで、いっつも人に決めてもらったものを食べて・・・。

と、思いながらあたしは檜山さんのメールを見返していた。「クリスマス、新橋のホテルでイタリアンを食べましょう。時間は十八時に駅で待ち合わせでよろしいですか」

よろしいも。

何も。

そこで断れば怒り出す檜山さんだ。

だけど、あたしはそのメールに返信をしてなかった。流石に、体の方は心配だったので、「ポリープの検査どうでしたか」と、一通打った。

だけど返事は帰ってきてなかった。・・・あたしは檜山さんの、沈黙で人を動かそうとするところにも疲れてきていた。

でも、日が暮れたら心細くなってきた。

あたしは、寝っ転がって一通打った。「この間はありがとうございます。クリスマス、ご一緒致します」

ちょっと経ってからメールは帰ってきた。「すみません。仕事で大阪に行くことになりました。二十二日から二十四日までです。ご理解お願いいたします」

二十二日から二十四日。

つまり。

大阪に他に女性ができたということだ。

(他に言い方ないんだろうか)と思いながらあたしは打った。「クリスマスおめでとうございます。頑張ってください」

「また、お誘いします」逃げるようなメールが来た。(もういいよ)って思いながらあたしは最後のメールを打った。「あたしは現代文学サロンの飲み会に出ますので、ご心配なく。お元気で。お世話になりました」

それから、あたしは檜山さんの履歴とアドレスとを全部消した。

少し、ほっとして夜空を見上げた。(限界だったんだ)

(あたしも檜山さんも・・・)

TVをつけたら、わかってはいたけど選挙日だった。

(選挙行こう)

(自分のことは自分で決めよう)

あたしにはその権利があるのだから。

選挙の整理券を見ると、投票所は近くの小学校だった。あたしはマフラーをぐるぐるに巻いて外に出た。子供が道でボールで遊んでいた。

(きっと)

(よかったんだ、これで)

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