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にがくてあまい午後

小春日和

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銀縁眼鏡のおじさんの言うことは的確だった。

絵本のラフを持って、一時間後に帰ってきたあたしにおじさん(というか編集の椎名さん)は言った。

「これ、A5にした方がいいですね」

「そうですか?・・・活字が小さいと読みにくいって、A4にするように勧められました」

「絵がね、シンプルでしょう」

「はい」

「だから、縮小した方が引き締まります」

「・・・」

「それにね」椎名さんは言った。「絵本って、今読み聞かせるお母さんもいらっしゃいますが」

「みんなスマホですよね」

「そう、だから小さい本の方が扱いやすいです」

なるほど。あたしが最初考えてたことと同じだ。

「見積もり、後で出しておきます。A5ならもっとお安くなるでしょう」

「ありがとうございます」

出版社を出ると、雲は灰色だったけど、太陽の光がきれぎれに黄金色に見えた。(よかったなぁ)

次の日。

眠いのとこんこんする咳で、お布団にくるまっていたらベルが鳴った。パパと大槻さんだった。大槻さんは大きな袋を抱えてた。

「こんにちは。あら、まだ寝てたの?」

「うん・・・風邪で調子わるくて、引きこもり気味」

「よくないわねぇ」

「おい」パパが割り込んだ。「大槻さんはお前にクリスマスプレゼント持ってきてくれたんだぞ」

あたしは、慌ててパジャマのままで玄米茶を三人分入れると、袋を開けた。「敦美ちゃんチェック嫌いだったでしょ」中には、黒に雪の結晶柄のチュニックと、黒にグレーのチェックのやっぱりチュニックが入っていた。

「好きな方になさい」

あたしはGパンとヒートテックに着替えて、チュニックをかぶった。・・・黒とグレーのチェックの方が似合ってた。「こっちにする」

「そうね」大槻さんは言った。「もう子供っぽくなくなったね」

「お腹すいた」あたしはいきなり言った。「何なの」

「だって何も食べてない」

「しょうがないわね」大槻さんは、昔みたいに立って冷蔵庫を開けた。「卵あるじゃない。お味噌汁も残ってるからそこに卵落として、後はこの湯葉のちりめんでも食べたら?」

あたしは、台所に立ったけどふらついて卵を落とした。今度は大槻さんが慌ててキッチンペーパーで床をふくと、新しい卵を沸騰した味噌汁に落とした。

「座ってなさい」

「そうする」

暫くぶりに、大槻さんに作ってもらったご飯はおいしかった。パパはソファで居眠りをしていた。

「そういえば前に言ってた、こころの健康センターどうだったの?」

「あんまりだめだった」あたしは答えた。「何だか職員の人が雰囲気暗かった」

「もう、帰るわね。あと、大みそかは手伝いに来るわ」

「うん」あたしは素直に言った。

パパと大槻さんが出て行った後、鍵を閉めてあたしは思った。(いくら仲良くても、仲直りには喧嘩した時間と同じくらい時間がかかるんだ)

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