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にがくてあまい午後

疎外感

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次の朝。

あたしは、食べ忘れていた七草粥を啜っていた。(もうこれで本当にお正月終わりだ)

(ゆうべは白須さんといろんなこと話したなぁ)

(白須さん、甘えんぼなんだ)

洗濯をいっぱいすると、ひさしぶりに外に干した。カットソーが風に吹かれてひらめいていた。

(心の自由があたしにはなかった)

夜。

パパが来た。

「パパ・・・」

「なんか九州のやくざとつきあってるのか」いきなりパパは言った。「・・・」

「やくざじゃないって言ったかも知らんがそれはやくざだ」

「白須さんは」

「お前は意外と世間知らずだから、いくらでも騙されるんだ。・・・ほっといて、悪かった」

「うわあああ」

「泣くなよ」パパは困ったように言った。「まだ、来てないんだろうこっちに?」

「うん」

「航空券、電話してキャンセルしなさい」

あたしはひっくひっくしながら航空会社に電話した。「白須嗣朗さんですね」「はい」「確かに承りました・・・」

パパは言った。「どうだった?」

「半額かえってくるって・・・」まだ鼻をぐずぐずさせてあたしは言った。

「そりゃよかった」

「うん・・・」

「それで」

「あたし、居場所がない気がするの」

「孤独感ならだれでも持ってる」

「そうじゃなくて・・・」あたしは言いよどんだ。「疎外?」

「疎外感か」

「うん」

「・・・」

「親戚の皆も、ほんとはあたしのこと気味わるがってる・・・。電話かけても皆留守電だし」

「そりゃ偶然じゃないのか」

「ううん。お祖母ちゃんのお葬式の時もみんなあたしからはすーっと目をそらす」

「それは事実だな」

あたしは胸のつかえがおりた気がした。「でも詩のサークルではそんなでもないだろう?」

「そんなでも」

「そうか」

その晩は生協の鰻だった。あたしが作ったお吸い物はぼんやりした味だった。

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