にがくてあまい午後

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にがくてあまい午後

揺らぎ

次の日。

路面は固く凍結していた。・・・電車もバスも遅れていた。来るはずの大槻さんは、途中であきらめて帰って行った。

あたしはひとりきりで少ししょんぼりしていた。実際、否定的にであれ肯定的にであれ、考えるのは白須さんのことばかりだった。

きっこがいつか言ったセリフがフラッシュバックした。

「結局さ、あんた不倫札なんだよ」

「それひどくない?」あたしはジンジャーエールを飲みながらむっとして言った。

「男が求めてるのは大人しい主婦だから、最終的には」

「・・・」

「それに当てはまんない可愛い子は全部騙すために存在すんの」

「そっかな」

「・・・あんたが求めてる、白馬の王子様が現れればいいけどね」

王子様、かぁ。

あたしは気持ちのどっかで、イヴの夜に電話した秩父さんを引きずっていた。・・・秩父さんだけでない、芹田も神木さんもけいちゃんも、そして高ちゃんも。

だけど皆結局あたしからは離れて行った。

ふと、思い立ってスカイプを調べると、白須さんから友録申請と短いメッセージが来ていた。

「こんばんは、いやおはよう。体の調子大丈夫ですか」

調べるとそれはもう三日前の午前二時のものだった。

(白須さん)

頭がぐらぐらした。いろいろ話したことを思い出した。

「僕は、結局母親を求めてたのかも知れない」

「そうなんですか?」

「・・・母に可愛がられた記憶が一度もなくてね」

「あたしも父に、小さいころ可愛がられたことないです」あたしは小さな声で言った。

「はは、じゃ同じだ」

・・・パパは遺言状を書くと言った。だけど、結局それはのびのびになっている。

人生に安全保障はどこにもない。

それを掛けようと思って、始めたのが見合いだ。・・・だけど、そこにいるのはやっぱり年老いた親御さんの世話や、自分の食事を作ってくれる人を確保したい人ばっかりだった。

もし秩父さんが誠実だとすれば。

「僕にのめり込まれたら困る」ってあたしを最初から拒否したところだ。

(白須さん)

「いい人」も、状況によってはもっと弱い人を騙す。

世間で「札付き」って思われてる人が、全部の人を騙してかかる訳ではない・・・。

本当にあたしを、騙そうとしないでいるのは誰なのか。

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