にがくてあまい午後

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にがくてあまい午後

浮気

もう朝はほとんどあたしの生活の中になかった。・・・昼過ぎ起きて、深夜白須さんと夢中でチャットした。

だけど白須さんはだんだん仕事が忙しくなってるみたいだった。

そんなある日。

白須さんから一通メールが入った。

「打ち合わせで疲れたので、ネットカフェのマッサージチェアで休憩して帰ります」

あたしはちょっと躊躇ってから電話した。「やあ」

「お疲れ様です」

「ふふ」

「ネットカフェなら、今疲れてなければスカイプできますか?」

「いや」白須さんは答えた。「声出して、他のお客さんの迷惑になるといけないから」

「そうですか・・・。チャットは?」

「今少し目がしぱしぱしててね。明日までここに泊まるから」

「わかりました」

電話を切ってからあたしは思った。(何か変)

(あの、ネット中毒の人が・・・画面見るのもつらいってことあるだろうか)

(だいたい、ネットカフェの椅子で寝ちゃうのはかなり難儀だ)

これは。

どう考えても浮気だ。

だけど、あたしと白須さんはまだ一度も会ってない。・・・これは浮気されてるのか、それともあたしとの関係がそもそも白須さんにとって浮気なのか。

考えているとベルが鳴った。

「大槻さん」

「敦美ちゃん、どうしてた」

あたしは、玄米茶を入れてたい焼きを出して、とりあえずの事を大槻さんに報告した。

「それは違う女性ができたんだね」

「やっぱり・・・」

「やめなさいそんな人」

「優しいんだもん」

「浮気してても?」

「また帰ってくるもん。そういう人だもん。何人と付き合っても平気な感じだから」

「やくざっぽいね、白須さんは」

「・・・」

「で、また優しくするんでしょう?お金欲しいって」

今度はあたしが黙った。

「白須さんが何してるかよく考えてみなさい」

それから大槻さんは、観葉植物を見て言った。「だいぶん伸びて来たわねぇ」「うん」「今度、植え替えるから土買っておきなさい。じゃね」

確かに。

大槻さんの言う通りなのだ。

あたしは、航空券をキャンセルした時点で、こういうことが起きる気はなんとなくしてた。・・・それに、白須さんがどっかで他の女性と楽しんでるかと思うとさみしかった。

でも。

あたしはなんで航空券をキャンセルしたんだろう?

正直、怖かったのもある。・・・でもそれだけじゃない。

女は。

というよりあたしは。

一円もお金を払わないで寝ようとする男性が、たぶん嫌いなのだ。・・・それは売春って意味ではない。

安い食事でも、心を込めて奢ってくれれば。

あるいは、割り勘でもホテル代とかをちゃんと出してくれれば。そういう意味だ。

白須さんはそのどっちもしていない。(あたしけちなのかな)

でも白須さんをホストとして買うのはあたしはいやだ。

貢ぐのはもっといやだ。

白須さんが、立ち直ると言う前提で投資するのは構わないって内心思ってた。(だけどこれじゃ)

あたしはため息をついて、ダイレクトメールを整理した。・・・それからペンネを茹でてアラビアータを作った。

(いっそ、新間さんに黒パン焼こうかな)

(モラセスとかいう材料がいる・・・)

(白須さんは馬鹿だ)

(何にもわかってない)

(やさしくてもやさしくなくても、女は金のある方へある方へいくらでもなびく動物だ)

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