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にがくてあまい午後

仕事

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火曜日。

あたしは、いつものように小説サークルの例会に出ていた。・・・会は楽しかった。

合評会が終ったあと、いつものように昔風ナポリタンを皆とたべながらあたしはぽつんと言った。

「何だか最近、頑張れないんです」

「あら、いいのよ」宝珠さんが言った。「頑張れない日は、頑張る日のためのお休みだから」

「・・・」

「何があったの?」田万川さんが聞いてきた。

「彼氏・・・っていうか好きな人が浮気してるみたいで」

「あら」

「それちゃんと確かめた?敦美ちゃん」しっかりした垣沼さんが言った。「今、男の人はみんな仕事で死ぬほど忙しいのよ」

「・・・」

「気分転換したら?」今度は田万川さんが言った。「どっちみち、今度の朗読会のチラシ、敦美ちゃんに頼もうと思ってたの」

「はい」

「元気出しなさい、ね」宝珠さんが締めくくった。

その晩、あたしはワードと格闘していた。

(思ったよりこりゃ大変だ)

(先生のプロフィールをきちんと入れないと失礼だし・・・)

(連絡先はどこまで開示していいんだろうか)

気がつくと時計は九時を回っていた。(いっけない)

昔風ナポリタンで、お腹は結構いっぱいだったけど、景気づけにコンソメパンチのポテチを食べながら、あたしはふっと思った。

(確かに)

(こんなこと毎日してたら、ネカフェで眠り込みたくもなる・・・)

(あたしの誤解だったんじゃないだろうか)

そうに違いない。

思い切ってあたしはメールを打った。

「おどかしてごめんなさい。仕事あると大変だってわかりました。・・・あたしも詩のサークルのチラシつくりで少し疲れてます」

すぐにメールは返ってきた。

「こっちも大変だ。雨が降って来たのに、野外の配線工事終わってない」

あたしは床にへたっと腰をついた。(考えすぎだったんだ・・・)

もし。

白須さんが本当に浮気してたとしても。

もう、気にしない自信がなんだかすとんと胸におちた。

(あたしもダウンコート着て、ブーツ履いて手伝いたいけどこればっかりは)

お風呂に入って、ひさしぶりに髪を丁寧に洗ってトリートメントすると、少し気が落ち着いた。(電話、しよう・・・)

「ごめんね」

「いいんだよ、気にしすぎだ」

「もう真っ暗なのに、大丈夫なの?明日は雪だって」

「はは、こっちは平気さ。昨日なんか気温二十度あった」

「頑張って」

「ああ」

電話は、切れた。(だめだあたし)

(毎日寝っ転がって、白須さんのことしか考えてないようじゃだめだ)

(かえって、白須さんの足手まといになる)

何か、始めよう。

あたしにしかできないことを。

雪は、その晩から降り始めてだんだんと雨に変わって行った。

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