にがくてあまい午後

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にがくてあまい午後

かすかな星

白須さんは、相変わらず仕事で忙しいらしく連絡はなかった。

あたしはまた酷い頭痛がして、いらいらしてた。ふと思い立って、「フォレスト・ガンプ」のテーマ曲をユーチューブで聞いた。何だかふと涙が出た。

あたしを。

お兄ちゃんから、パパが結局完全に守れなかったのはなんでなんだろう。

その夕もパパは来た。・・・あたしはすごい頭痛がガンガンしてたけど、黙って佐藤さんの作ったご飯を一緒に食べた。

最後にパパは言った。「おい敦美」

「?」

「見合いなぁ、断るときはきちんと断らなきゃだめだ」

「・・・」

「はっきり言うんだ。『私は自分でいい医師も探したし、いい友人も先生もこの土地にいる。親の面倒見る必要はないけど、そっちの親の面倒も私は見られません』って」

「う・・ん」

「わかったな、じゃ」

パパは帽子をかむって出て行った。あたしは思った。

(パパの介護、気にしなくっていいっていうのはありがたい)

(だけど自分で医者探したのはしんどかった)

(それでまた、ここを離れるなって言うのは半分パパのエゴだ)

少し、いやかなり憂鬱になって窓の外を見たけど真っ暗だった。星はかすかに見えるだけだった。

あたしはどっと新しく来た見合い申し込みのリストを見て思った。

(誰が危険で誰が安全か、自分で決めるしかない)

(そういえば、絵本の行く先も)

挿絵はなんとか最後まで自分でアップした。・・・だけどあたしは疲れてもいた。(いつもいつも自分で決めてる)

パパは無責任だ。

その深夜、白須さんから随分遅れたメールが返ってきていた。「今仕事の追い込み中」

あたしは打った。「電話してもいいですか」「少しなら」

画面に指をスライドさせると懐かしい声が聞こえた。「やあ」

「白須さん」

「泣きそうな声だな、はは」

「・・・ちゃんと話せるの、一週間ぶりだから」

「ごめんごめん」

「あたしこそ、疲れてるところすいません」

あたしはパパとの会話の一部始終を話した。

「それはそんなに、つきつめて考えない方がいい、敦美ちゃん」白須さんは言った。「考えすぎるとおかしくなるからね」

「はい」

「ちゃんと寝れてる?」

「あんまり・・・。夜型になっちゃって」

「昼型にするんだよ。僕も明日は仕事で早く起きる、ね」

「ごめんなさい」

「そんなに謝らなくていい、じゃ」

あたしの寝室からは星は見えない。だけど、かすかに流星群が走ったような気がふとした。あたしは何とか眠ろうとして、羊を数えていた。

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