にがくてあまい午後

スポンサー広告

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
もくじ  3kaku_s_L.png Morning Glory
もくじ  3kaku_s_L.png Black short short
もくじ  3kaku_s_L.png DOWN BEAT
もくじ  3kaku_s_L.png 刻印-sin-
もくじ  3kaku_s_L.png あとがき
もくじ  3kaku_s_L.png 現実の林檎
  ↑記事冒頭へ  
←第三十六章    →第三十四章
*Edit TB(-) | CO(-) 

籠の鳥ーJAILBIRD-

第三十五章


それから。

亜美の、「戦闘」が始まった。

まず、起きてシャンプーして顔を洗う。TシャツとGパンに着替える。・・・桂さんに「おはよう」と挨拶をして、湯を鍋に沸かしてだしを入れる。沸騰したら、豆腐とわかめを入れて、味噌を入れて火を止める。

三人で、気まずい朝食を取る。

それから、自転車に乗って15分、下り上りの多い道を、作業所へ急ぐ。

「おはようございます」

「おはようございます」

全員の挨拶。・・・それから、調理実習。亜美は大根の切り方と、ぶりの焼き方を覚えた。

昼は、コーヒーだ。

豆をミルでがりがりと轢く。・・・粉を、メーカーに入れて汁がぽたぽたと垂れて来るのを待つ。その間に、カップを温めて、スプーンと砂糖とミルクを添える。

所長さんは、いつもブラックだ。だから何も添えなくていい。

そして、午後はお菓子作り。

ブールドネージュと言う、アーモンドを刻んで粉砂糖をたっぷりまぶした、クッキーの一種を、皆で作る。小麦粉と粉砂糖を、網でふるって、バターとミキサーで混ぜ、アーモンドを入れて丸める。・・・冷蔵庫で少し寝かせた後、10gずつ小さく丸めて、オーブンで焼く。そして真っ白になるまでまた粉砂糖をまぶす。

1ヶ月後、へとへとになった亜美の元に1枚の封筒を芳子さんは渡した。「お給料よ。初めての月にしては、随分頑張ったわ」

中には、4736円入っていた。

「ありがとうございます」

亜美は、一礼して受け取ると、帰り道で、駅前のパワーストーンの店の前で、足をとめた。

「いらっしゃいませ」感じのいい女性が、挨拶してくれた。

「あの・・・。4千円台で、ブレスレットが欲しいんです」

「石の、選び方によりますけれども・・・。何とかしてみましょう」

迷った末、亜美はアメジストとブルーレースアゲートとローズクォーツの組み合わせを選んだ。

「いいですよ。『恋愛』と『交友』と『健康』です」

(これを、自分の初めてのお守りにしよう・・・)

秋は、もうそこまで来ていた。
関連記事
もくじ  3kaku_s_L.png Morning Glory
もくじ  3kaku_s_L.png Black short short
もくじ  3kaku_s_L.png DOWN BEAT
もくじ  3kaku_s_L.png 刻印-sin-
もくじ  3kaku_s_L.png あとがき
もくじ  3kaku_s_L.png 現実の林檎
  ↑記事冒頭へ  
←第三十六章    →第三十四章
*Edit TB(0) | CO(0)

~ Comment ~















管理者にだけ表示を許可する

~ Trackback ~


  ↑記事冒頭へ  
←第三十六章    →第三十四章

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。