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籠の鳥ーJAILBIRD-

第四十六章

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亜美と瑛一は、車の中で黙って、亜美の持ってきたお菓子を頬張った。

瑛一は言った。「美味いな、このマドレーヌ。どこのだ?」

亜美は答えた。「アンリ・シャルパンティエ」

瑛一は言った。「ふうん。・・・俺の親父は、よくくずもち買って来たよ」

それから、瑛一は車のエンジンをかけた。「帰るぞ」

「いや」亜美は言った。「ラーメン、食べたい」

瑛一は言った。「いいよ。門限、何時だ?」

亜美は言った。「夕食、7時」

「よし」瑛一は、勘だけでもう暗くなっている道を出鱈目に走らせた。30分程して、一軒の、古びたラーメン屋が目にとまった。

瑛一は、器用に近くの空き地に車を止めると、亜美にキスをした。それから、二人はラーメン屋の扉をくぐった。

「いらっしゃいませ」

「俺、とんこつチャーシュー麺」

「私、醤油味」

「わかりました」

暫くして、鰹節のかかったラーメンが運ばれてきた。瑛一は、器用に麺をれんげにすくって食べた。

「なぁ亜美」

「え?」

「あの祈り、覚えてるか?」

「ああ」亜美は繰り返した。「変えられないものを受け入れる落ち着きを、変えられるものを変えてゆく勇気を」

「ふん」瑛一は言った。

「信じてるの?」

「・・・俺は、あんなもんだと思って、毎回唱えてる」

「そう」亜美は言った。「でも、あれは女の祈りだと思うわ。・・・変えられないものを変えてゆくのが男でしょ」

「ふん」瑛一は言った。「さて、帰るか」

外はもう真っ暗だった。信号で車が止まる度、瑛一はハンドルから手を離して、不安げに亜美の手を握った。何度も、何度も。

車は、U市に近づいて来た。瑛一は言った。「家の1区画前に来たら、教えろよ」

「うん」亜美は言った。「あのガード下で止めて」

車は、少し車体を斜め倒しに止まった。亜美は、ドアを開きかけた。

「待てよ」

「え?」

瑛一は、強引な感じで亜美を抱き寄せると、ディープキスをした。亜美は、うっとりして舌を入れ返した。

瑛一は、嘲笑うように言った。「こんな事して、まだお嬢様か?」

「ううん・・・。こんな大冒険、初めて・・・」

「やっぱり箱入り娘だ」瑛一は言った。「じゃ、な」

白い車は、コンドルのように姿を消した。・・・亜美は、暫く立ちつくすと、家に、帰った。
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