にがくてあまい午後

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籠の鳥ーJAILBIRD-

第四十七章


亜美は、部屋につくと真っ赤になっている下着を脱いで、浴室で洗濯した。・・・それから、瑛一にメールをしようとして、思いとどまって、ベッドに横たわった。

(苦しい)

(苦しい)

・・・まだ、体の中心部がひりひりする。亜美は思い切って携帯を取った。

「瑛一」

不機嫌そうなメールが来た。「なんだ」

「痛いよ・・・。痛い」

「あのなぁ」瑛一は、途方に暮れたように言った。「俺、明日仕事なんだ。8分なら、相手できる」

亜美は泣きだした。瑛一は言った。「困ったお嬢さんだ・・・。寝るぞ。あとな、髪はセットしとけよ」

あきらめて、亜美は眠ろうとした。・・・だが、眠れなかった。頭の中がぐるぐるした。悪夢さえ、見なかった。

次の日。

亜美は、まだひりつく体を押えて、親友の理子と、U市の図書館で待ち合わせをした。理子は、亜美が引きこもってからも、唯一一緒にお茶を飲んでくれる友人だった。

「亜美ちゃん」

「え・・・?」

瑛一の写真を、携帯で見せられた理子は言った。「いい、男なのは認めるよ。でも、それ・・・」理子は言葉を濁した。

「何?」亜美は聞き返した。

「デートレイプじゃないの?」

デートレイプ。

亜美は、愕然とした。理子は言った。「とにかくさ」

「うん」

「O市には、もう行かない方がいいよ」

「分かった・・・」

亜美は、踵を返すと家に向かった。デートレイプ。

そうかも、知れない。

その次の夜も、亜美は眠れなかった。次の夜も。・・・折悪しく、桂さんは実家に里帰りしていた。何度も瑛一の携帯に電話したが、瑛一は出なかった。自分が段々、錯乱してくるのが自分でも分かった。

亜美は、やけっぱちになってPCを開いた。(確かめてみよう・・・)

K市。時計店。(あった・・・)

それは、瑛一の言った通り、新興チェーン店で、洒落た内装の写真が、携帯と全く同じだった。(店の、専用掲示板がある・・・)

亜美が、息を吸って掲示板に向かった途端、携帯が鳴った。

亜美は、飛びついた。携帯からは、今まで聞いた事もないような瑛一の、静かな落ち着いた声が聞こえた。

「もし、君が僕の店の掲示板に、僕とのことを書いたら、僕は君をストーカーとして訴える。・・・ここ2日間、勤務中に10回ほど君から着信が鳴って、僕は大変迷惑している。・・・25日に、話し合いをする。」

「・・・」

「分かったね?」電話は、切れた。

亜美は、ふと眠り込んだ。ようやく落ち着いて、深く深く。

(あの人は、やはり、臨床心理士志望だったのだ)
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